アーカイブ: 2022年6月11日

ヒトと共生している腸内細菌が持つ機能がまだ良く解明されていないレクチン

Department of Medicine, Icahn Genomics Institute, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY, USAらのグループは、ヒトの腸内共生微生物叢における細菌レクチンの解明機能と多様性について報告しています。
https://www.nature.com/articles/s41467-022-29949-3

複数の患者の便サンプルの共生腸内細菌から見つかったひとつの共生細菌エフェクター遺伝子(Cbeg)ファミリーは、レクチンをコードすると予測されるまだ良く解明されていない遺伝子(Cbeg4やCbeg5など)で構成されています。

Cbeg4とCbeg5の予測ドメイン分析により、両方の遺伝子が分泌シグナルペプチド、フィブロネクチン3型ドメイン(Fn; IPR003961)および糖鎖結合モジュールドメイン(CBM、CBM6-CBM35-CBM36_like_2、IPR033803)を含むタンパク質をコードしていることが明らかになりました。 Uniprotデータベースで見つかったCBM6-CBM35-CBM36_like_2 糖鎖結合ドメインを含むと予測される865個のタンパク質のうち、108個の異なるドメインアーキテクチャと2つの機能的に特徴付けられたタンパク質が特定されました。 CBM6-CBM35-CBM36_like_2ドメインを持つふたつの機能的に特徴付けられたタンパク質は酵素であり、レクチンではありませんでした。 ひとつはバチルス菌から分離されたキサンタンリアーゼであり、もうひとつは、キイロタマホコリカビから分離されたゴルジ輸送酵素(ゴルベシン)でした。 SWISS-MODELによるCbeg4およびCbeg5タンパク質配列の分析は、Cbeg4およびCbeg5が単量体タンパク質として存在することを示唆しています。 Cbeg4およびCbeg5のドメインアーキテクチャは、共生バクテロイデス種に固有であり、機能的に特徴付けられた既知のレクチンとは異なっています。

この未知のレクチンが結合する糖鎖は、共通のGalβ1–3GlcNacβ1–2Manα1–3Manモチーフを共有しているようです。 Glyconnectデータベースでは、このN-型糖鎖の下部構造は、末梢血単核細胞(PBMC)から生成されたデータセットで最も頻繁に見られます。これらのことから、Cbeg4およびCbeg5は、白血球関連のN-型糖鎖構造に結合するレクチンであるように見えます。

実際、CD14+単球、CD16+単球、およびcDC2樹状細胞の場合、Cbeg5はIL-1β、IL-6、IL-8、IL-10、およびTNFαをドーズ依存的に増加させました。 Cbeg5は、CD1c-CD14-CD16-CD11c+骨髄細胞(mCD11c)のサイトカイン産生にも影響を及ぼしました。これらの4つの細胞集団(CD14+単球、CD16+単球、cDC2樹状細胞、およびmCD11c細胞)におけるサイトカインの誘導は、PBSコントロールと比較して100倍を超える割合で顕著な増加を示しています。今日まで、ヒトの共生細菌叢におけるレクチンの役割というのは、接着としての機能、または細菌の代謝機能における糖鎖への結合とその輸送に焦点を合わせてきました。上記のPBMCとの相互作用で例証されたCbeg5の機能分析は、ヒトの共生細菌叢におけるレクチン機能の多様性が粘膜免疫系の調節にまで及ぶ可能性があることを示唆しています。

ヒトの共生細菌叢によってコードされるレクチンは、明らかに生物学的に関連性があり、機能的にも多様でもありますが、まだほとんど研究されていない対象です。これらのレクチンの体系的な調査は、ヒトの共生細菌叢が健康と病気にどのように寄与するかについての私たちの理解を向上させることに繋がると考えられます。

大豆の根粒組織におけるN-型糖鎖修飾を受けた糖タンパク質の根粒組織内空間マッピング

Environmental Molecular Sciences Laboratory, Earth and Biological Sciences Directorate, Pacific Northwest National Laboratory, Richland, WA, USAらのグループは、大豆の根粒組織におけるN-型糖鎖修飾を受けた糖タンパク質の根粒組織内空間マッピングの評価結果について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9150855/

糖鎖は根粒形成プロセスと植物と微生物の共生関係における重要なメディエーターですが、タンパク質のN-型糖鎖修飾が窒素固定によって影響を受けるかどうかについての研究例はありません。本研究では、野生型根粒菌に感染した大豆の根粒と、大気中の窒素を効率的に固定できないnifH変異根粒菌に感染した大豆の根粒内におけるN-型糖鎖の分布と存在量プロファイルを比較しています。 nifH変異体は、根に同様に感染して根粒を形成はしますが、窒素を固定することはできません。

N-型糖鎖の大部分はnifH変異体の根粒で全体的に高い存在量を示し、幾つかのN-型糖鎖はWTとnifH-根粒の間で有意差を示さず、WTで多いというN-型糖鎖は存在しませんでした。 特に、Lewisa-エピトープを含むすべてのN-型糖鎖は、nifH変異体の根粒組織で有意に高い存在量を示しました。対照的に、短鎖のN-型糖鎖のレベルは、2種の根粒組織間で差異はありませんでした。

プロテオミクスの解析結果より、9種の糖タンパク質がLewisaの潜在的に主要なキャリアとして特定されました。
同定された9種のタンパク質は次のとおりです。フィコシアニンドメイン含有タンパク質(I1LWP0)、アミドヒドロ-relドメイン含有タンパク質(I1L921)、形成性タンパク質(I1JL51)、ペルオキシダーゼ(I1MP39)、ゲルミン様タンパク質(C7S8D5)、オキシドレダクターゼ活性を持つ未知の銅イオン結合タンパク質(I1MUX7)、マンノシルオリゴ糖グルコシダーゼ活性を持つ未知の酵素(I1K3K7)、および分子機能が不明な2つの未知のタンパク質(I1K380およびC5HU39)。

これらの特定のN-型糖鎖を含む糖タンパク質は、根粒細菌感染時の効率的な生物学的窒素固定またはその下流のシグナルパスに介在している可能性があります。実際、これらの9種の糖タンパク質はすべて、生物学的窒素固定または根の発達に関連する既知または予測された機能を持っており、それらのLewisa型糖鎖修飾がそれらの機能に関与している可能性があります。

血中B型肝炎表面抗原のO-型糖鎖修飾がヌクレオチドアナログを用いた肝炎治療効果の良いマーカーとなる

順天堂大学静岡病院らのグループは、血中のO-型糖鎖修飾を受けたB型肝炎表面抗原(HBsAg)が、従来のイムノアッセイを通じて血清HBVウイルスレベルを評価するために使用でき、特にNA療法を受けている患者におけるウイルス動態の新しい潜在的なバイオマーカーとなる可能性があると報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35641912/

現在、ヌクレオシド類似体(NA)の経口投与は、NAの優れたウイルス学的有効性と安全性のため、慢性B型肝炎患者にとって最も一般的な治療戦略です。 NAの長期投与は、ほとんどの患者でHBV増殖を抑制し、線維化や肝硬変の退行を含む生化学的寛解と組織学的改善をもたらします。ただし、肝内共有結合閉環状DNA(cccDNA)が持続するため、HBV感染を完全に排除することはできません。肝内cccDNA濃度を測定することは、増殖能力のある残留ウイルスを評価するための最も直接的な方法です。ただし、肝生検の必要性やcccDNAを定量化するための標準化された方法の欠如などの問題があります。

HBsAgは、HBV感染の診断のための定性的な血清学的マーカーとして長きにわたり重宝されています。定量的HBsAgアッセイは、血清HBsAgレベルが血清HBV DNAレベルおよび肝内cccDNAレベルと相関しており、予後の重要性を示していることを示しています。ただし、現在利用可能なHBsAgアッセイでは、HBVウイルスと非感染性サブウイルス粒子(SVP)を区別できません。最近、M-HBsAgのPreS2ドメインのO-型糖鎖修飾が、糖鎖ベースのイムノアッセイを通じて、遺伝子型C HBVウイルスの明確な特徴を反映するものとして同定され、O-グリコシル化M-HBsAgを特異的に認識する組換え抗体(抗Glyco-PreS2)が開発されました。

著者らは、血中のO-型糖鎖修飾を受けたHBsAgレベルが、従来のイムノアッセイを通じて血清HBVウイルスレベルを評価でき、特にNA療法を受けている患者において、ウイルス動態の新しい潜在的なバイオマーカーとなる可能性があることを発見しました。

パルミトイルエタノールアミド(PEA)がCOVID-19の優れた補助療法になる可能性がある

Retrovirus Center, Department of Translational Research and New Technologies in Medicine and Surgery, University of Pisa, 56100 Pisa, Italyらのグループは、パルミトイルエタノールアミド(PEA)は、COVID-19の現在の治療法、更にはコロナウイルスと同様な感染増殖経路を持つ新規のRNAウイルスに対する有望な補助療法となるでしょうと報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35632821/

SARS-CoV-2に対する阻害分子の候補の1つに、N-アシルエタノールアミンファミリーのメンバーの1つであるPEAがあります。PEAは、末梢炎症および肥満細胞の脱顆粒を阻害するだけでなく、ラットおよびマウスにおいて神経保護および抗侵害受容効果を発揮することが分かっています。最近、このPEAの抗炎症作用がアナンダミドと同じ経路をたどらないことが発見されました。PEA誘発性の鎮痛および抗炎症活性は、ペルオキシソーム増殖因子受容体アルファ(PPAR-α)の活性化によって媒介され、PPAR-αは、ミトコンドリアおよびペルオキシソーム内のベータ酸化の活性化、およびミクロソーム内のオメガ酸化の同時刺激による脂肪滴の破壊につながるシグナル伝達カスケードを発動します。細菌およびウイルス感染の予防または治療に対して、PEAの有効性も散見されることから、本研究においては、PEAがSARS-CoV-2の感染増殖を阻害するために使用できるかどうかについて検討が行われています。

PEAの細胞毒性ですが、PEAがHuh-7および293T細胞に100μMもの高濃度でアプライされた場合でも、その毒性は検出されませんでした。Huh7細胞を用いたSARS-CoV-2の感染実験において、1μMの濃度のPEAをSARS-CoV-2と同時にインキュベートした場合には、感染72時間後のqRT-PCRで測定にて、SARS-CoV-2ゲノムの量は約64%減少していました。

PEAの効果が、SARS-CoV-2の2つの主要な変異株(デルタおよびオミクロン)に対して評価されました。10および1μMのPEA前処理Huh-7細胞では、デルタ変異株のウイルスゲノムの数が62.4%および51.2%、オミクロン変異株では、43.4%および77.3%減少することが示されました。興味深いことに、PEAに曝露されたSARS-CoV-2デルタおよびオミクロン変異株においては、10μM PEAで、ウイルスゲノムが最大65%近くの減少を示しました。また、PEAを細胞とウイルスの両方に同時にアプライした場合では、1μMで投与されたPEAは、ウイルスゲノムが大幅に減少し、デルタおよびオミクロン変異株で、それぞれ75.3%および72.5%となりました。

O-GlcNAcを検出するためのGalNAc-GlcNAc 2糖タグとWJAレクチンを用いた方法

東大新領域創成研究科)統合バイオサイエンス学科、らのグループは、O-GlcNAc修飾タンパク質を高感度で検出するための新規な方法を提案しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9126400/

セリンまたはスレオニンのO-GlcNAc修飾は、核または細胞質タンパク質でのみ発生します。この修飾は、幾つかの観点から、N-グリコシル化またはO-グリコシル化とは大きく異なります。
(1)O-GlcNAc修飾は、細胞の核または細胞質で発生しますが、一般的な糖鎖修飾は小胞体およびゴルジ装置の内腔で行われます。
(2)O-GlcNAc修飾は、O-GlcNAc糖転移酵素(OGT)およびO-GlcNAcase(OGA)の作用による可逆反応ですが、N-およびO-糖鎖修飾は不可逆的です。
(3)タンパク質上の一般的なN-型およびO-型糖鎖は、多くの種類の糖転移酵素のプロセッシングを受けて順次処理および伸長されます。しかし、O-GlcNAc残基は他の単糖で修飾されることはありません。

本研究においては、特に細胞核におけるタンパク質のO-GlcNAc修飾を検出するために、可溶性β4GalNAc-TAをコードする発現ベクターを、SV40 T抗原 N-末端またはC-末端のからの核局在化シグナル(NLS)で構築し、β4GalNAc糖転移酵素を用いて、GalNAcをO-GlcNAc化タンパク質のGlcNAc残基に転移させてGalNAcβ1-4GlcNAcの二糖を形成させます。次に、Wisteria japonica凝集素(WJA)レクチンをプローブとして使用し、GalNAcβ1-4GlcNAc二糖を検出します。
本方法は、二糖タグ法と名付けられました。

この方法で使用されるGalNAc-GlcNAcとWJAレクチンの間の結合力は、1.4×10 5 M-1と強いKaを持ち、他のどの方法よりもより高い感度を可能にします。更に、GalNAc-GlcNAc配列を持つ糖鎖は動物細胞ではほとんど発現されないことを強調しておく必要があります。GalNAc-GlcNAc構造は、脳下垂体糖タンパク質ホルモン(ロイトロピン、チロトロピン、フォリトロピン)のN-型糖鎖の非還元末端に見られ、血流からのクリアランスシグナルとして機能します。これらの糖タンパク質ホルモンは脳下垂体にのみ存在し、他の組織や細胞には発現していません。

HIV感染におけるPSGL-1の影響について

Department of Biological Sciences, University of Toronto Scarborough, 1265 Military Trail, Toronto, ON Canadaらのグループは、P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1 (PSGL-1/CD162) がHIV-1のウイルスエンベロープに発現しており、それがウイルスの捕獲と、感染細胞 (CD4+ T-細胞など)へのトランスファーを媒介していると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9123692/

P-セレクチン糖タンパク質リガンド-1(PSGL-1/CD162)は、その受容体であるP-セレクチンとの相互作用を介して白血球のローリングを制御する役割について広く研究されています。構造的には、PSGL-1は高度に糖鎖修飾を受けたホモ二量体膜貫通タンパク質であり、細胞外ドメイン(ECD)の長さが50〜60 nmで、細胞表面から突き出ています。

実際に、PSGL-1はHIV-1感染の生理学においてさまざまな役割を果たしています。以下に示すように、PSGL-1の発現レベルが高いウイルスは非感染性であることが示されています。

HIV-1感染の主な標的であるCD4+ T-細胞は、炎症状態でP-セレクチンを発現する活性化した内皮組織によく見られるため、P-セレクチンによって捕捉されるPSGL-1を発現するウイルスが近くの感染標的細胞に移動し、感染を引き起こす可能性があると考えられます。このモデルを、低レベルのPSGL-1と高レベルのgp120を発現するT-細胞感染ウイルスとPBMC感染ウイルスを用いて実証しました。T-細胞およびPBMCで産生されたウイルスが、コントロールよりも著しく高いレベルでP-セレクチンによって捕捉されることが示されました。最も重要なことは、両方のウイルスがP-セレクチンによって効果的に捕捉され、HIV-1の感染標的細胞にトランスファーされたということです。これは、HIVウイルスがin vivoでP-セレクチンを発現する細胞に遭遇した時、PSGL-1を介したウイルスの捕捉とトランスファーという感染のメカニズムが発生する可能性があることを示唆しているのです。

Burkholderia vietnamiensis B418が線虫管理に効果的な生物学的殺線虫剤である

School of Bioengineering, Qilu University of Technology (Shandong Academy of Sciences), Jinan, 250353, Chinaらのグループは、Burkholderia vietnamiensis B418が線虫管理に効果的な生物学的殺線虫剤になり得ると報告しました。
https://www.nature.com/articles/s41598-022-12472-2

ネコブセンチュウ(Meloidogyne spp.)は、特に温室野菜栽培において、広範囲の作物に寄生する可能性のある非常に多食性の寄生虫です。ネコブセンチュウが侵入すると、植物の根に明らかな結び目や虫こぶを引き起こし、根の正常な構造を破壊し、水と栄養を求めて宿主と競争することで、植物は二次病原体に感染し易くなります。ネコブセンチュウの被害は、世界的に見て年間1,000億ドルを超える経済的損失を引き起こすと推定されており、総作物損失の約12.6%を占めています。

ネコブセンチュウ密度の減少率および防除効果に対する様々な処理の影響は次の通りでした。
すべての処理(Burkholderia vietnamiensis B418接種、化学的殺線虫剤フォスチアゼート、および生物学的殺線虫剤アベルメクチン)は、ネガティブコントロールと比較してネコブセンチュウ密度をある程度減少させました。
最高の減少率と防除効果は、B.vietnamiensis B418接種で見られ、それぞれ74.84%と71.15%でありました。
B418の接種により、フォスチアゼート(38.92%から62.71%)およびアベルメクチン(59.24%から67.87%)の阻害効果が増強されました。 しかし、B418接種単独の場合よりも効果は低下しており、B418とフォスチアゼートおよびアベルメクチンの間には何らかの不整合性があると考えられます。

B418の接種により、バクテリアの16S rRNA配列が9.1%から34.6%に増加し、真菌のITS-2 rRNA配列が7.1%から30.3%に増加していました。このことは、薬剤による病害防除処理効果(9.1%)よりもB418接種の方が多くの変化を根圏細菌叢に引き起こしていることを示しています。。

植物成長に対するPGPR(植物生育促進性根圏細菌)の有益な効果には、生物施肥(主に窒素とリンを含む栄養素の取り込みの促進)や植物刺激(植物成長促進ホルモンの生成)などの直接的なメカニズム、更には間接的なメカニズムとして、植物病原体の有害な効果に拮抗する生物制御剤としての二次代謝物の産生、或いは植物の全身抵抗性を誘発する作用があります。何故、B. vietnamiensis B418の接種がネコブセンチュウの阻害に有効であったのかという理由については定かではないのですが、B418を接種したことによる真菌であるモルティエラの増加は、ネコブセンチュウに対する防除効果と相関していることが分かりました。真菌叢におけるこれらの変動は、B418接種が病原体関連種の阻害および植物に有益な種の増強をもたらした可能性があることを匂わせています。

CK: コントロール; FOST: fosthiazate; AVM: avermectin. (+ /−): B418接種の有無

血中の単糖が結腸直腸癌および結腸直腸腺腫の優れたマーカーになる

Department of Hepatobiliary and Pancreatic Surgery, The Affiliated Hospital of Qingdao University, Qingdao, Chinaらのグループは、結腸直腸癌および結腸直腸腺腫に対する新規の血中単糖複合マーカーについて報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9099097/

HPAEC-PAD法を使用して、健常人、結腸直腸癌および結腸直腸腺腫患者の血中2つの遊離単糖(Glc-FおよびMan-F)と6つの加水分解単糖(Fuc-H、GalN-H、GlcN-H、Gal-H、Glc-H、およびMan-H)を測定しました。。
血中の単糖の濃度は、健常人よりも結腸直腸癌および結腸直腸腺腫患者で有意に高くなっていました。具体的には、血中のFuc-H、GalN-H、GlcN-H、Gal-H、Glc-H、およびMan-Hの濃度は、健常者と比較して結腸直腸癌患者で有意に高く、血中のFuc-H、Gal-H、Glc-H、およびMan-Hの濃度は、健常人よりも結腸直腸腺腫患者で有意に高くなっていました。

ロジスティック回帰分析を使用して、上記の結果に基づいて診断モデルが開発されました。 2種類のモデルが開発され、1つはMC1で、もう1つはMC2です。
MC1のロジスティック回帰式は次のとおりです:MC1=-8.18-0.021Fuc-H-0.004 GlcN-H + 0.011 Man-H、ここでFuc-H、GlcN-H、およびMan-Hはμmol/Lで表されます。
MC2のロジスティック回帰式は次のとおりです:MC2=-6.639-0.022Fuc-H + 0.003 Gal-H + 0.003 Man-H、ここでFuc-H、Gal-H、およびMan-Hの単位はμmol/Lです。

MC1は健常人と結腸直腸癌患者を区別するために使用され、MC2は健常人と結腸直腸腺腫患者を区別するために使用されます。 MC2とMC1のAUCは、それぞれ0.8025と0.9403でした。
因みに、健常者と結腸直腸癌患者間の既存マーカーCEAのAUCは0.7384でした。

キノコから抽出されたコカプリン( β-トレフォイル・レクチン)がプロテアーゼ阻害剤となる

Department of Biochemistry and Molecular and Structural Biology, Jožef Stefan Institute, 1000 Ljubljana, Sloveniaらのグループは、コカプリンと名付けられたキノコ(Coprinopsis cinerea)から抽出されたβ-トレフォイル折り畳み構造を持つレクチンは、システインとアスパラギン酸プロテアーゼの両方を阻害したと報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9104457/

キノコ(Coprinopsis cinerea)に関する配列ベースの構造解析では、2つのコード化タンパク質、それぞれCCP1とCCP2、およびそれらの重複遺伝子を持つCCP3が存在し、リシン型β-トレフォイル・レクチン様ドメインを含むと予測されました。 3つのタンパク質はすべて、古典的な分泌のためのシグナルペプチドを欠いているため、内在性であると予測されます。

コカプリンは、C1ファミリーに属する植物システインプロテアーゼを低µM範囲のKiで阻害し、アスパラギン酸プロテアーゼペプシンも低µM範囲のKiで阻害することが判明しました。

コカプリンはこれらプロテアーゼ阻害に加えてレクチン活性を持っていることが示されました。糖鎖アレイを使用して、コカプリンの糖鎖結合特異性が分析されました。 CCP1の場合、LacNAcまたはpolyLacNAcを含む糖鎖構造に弱い結合特異性を示し、CCP2の場合は結合がさらに弱くなっていました。いずれにせよ、糖鎖結合特異性を示すことには間違いがありません。

しかしながら、コカプリンの生物学的機能は不明です。防御における潜在的な役割として、CCP2の発現が真菌性線虫による攻撃で誘導されたことは注目に値します。しかし、線虫や双翅目昆虫の幼虫に対するタンパク質の毒性は検出されませんでした。これらはすべて、他のβ-トレフォイルプロテアーゼ阻害剤やレクチンの標的となることが分かっているのにです。不思議ですね。

IgA腎症の診断:血中の特異的な糖鎖修飾を受けたIgA1をWFAレクチンとIgA1抗体でサンドイッチ

シスメックスのグループは、IgA腎症の診断マーカーとしての血清WFA+-IgA1の評価結果について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9104065/

著者らは、IgA1の異常な糖鎖修飾に焦点を当てたWisteria floribunda 凝集素(WFA)レクチンと抗IgA1モノクローナル抗体を使用したIgA腎症(IgAN)を診断するための自動サンドイッチイムノアッセイシステムの評価結果について報告しています。

イムノアッセイのためのWFAの有用性はレクチンマイクロアレイによって調査されました。下図は、健常者(HC)およびIgAN患者におけるマイクロアレイ結果の典型的な画像を示しており、健常者と比較してIgAN患者に由来するIgA1でWFAシグナルが有意に増加していることが確認されました。

残念ながら、結果は診断アッセイの観点からは期待外れのようでした、感度= 66%、特異性= 62%。

Powered by WordPress |Copyright © 2020 Emukk. All rights reserved