糖鎖プロファイラーと糖鎖解析ソフト
レクチンアレイを用いた糖鎖プロファイリング:糖鎖プロファイラー

世界で最も高感度な糖鎖プロファイラーです。エバネッセント波蛍光励起を用いることで、分子間相互作用を非破壊で検出できます。糖鎖プロファイラーという名の通り、レクチンマイクロアレイ用として開発されたスキャナーであり、比較糖鎖プロファイリングに絶大な力を発揮します。もちろん、糖鎖アレイも勿論スキャンすることができます。因みに、GlycoStationは、エムックの登録商標です。
GlycoStation® Reader 2300 (GSR2300)が現在のHighend糖鎖プロファイラーとなります。GlycoStation® Reader 2200 (GSR2200)は、GSR2300とは兄弟機であり、現在はGSR2300に統合しています。GSR2300は、初代のGSR1200と比べますと、相反するふたつの機能(高感度と高速スキャン)が両立していることが特徴であり、GSR1200以上の高感度を出しながら、僅か15秒でマイクロアレイをスキャンすることができます。一般的なマイクロアレイ用スキャナーが、10分前後のスキャン時間を要することを考えれば、世界最速の超高感度糖鎖プロファイラー(スキャナー)ということができましょう。低ノイズの特徴を生かし、信号レベルが小さい領域でも線形性が高く、ダイナミックレンジも広がっています。
仕事が速いということはとても大切な要素です。是非、GSR2300の高速スキャンを体験してみてください。次から次とレクチンマイクロアレイ(糖鎖アレイも)が処理され、その場で驚きをもってサンプル間の違いを体感できます。速さに慣れると、もう遅いスキャナーには戻れません。GSR2300は、そんな異次元の体験をあなたにお届け致します。
GSR2300の基本仕様は下記のようになります。

- エバネッセント波蛍光励起:弱い分子間相互作用を非破壊で高感度検出
- Cy3, Cy5, FITCに標準対応:最大8種類の蛍光フィルター搭載可能
- 超高感度:細胞5個で糖鎖プロファイリングが可能
- 低ノイズ:従来機種GSR1200に対して最大60倍S/N比アップ(サンプルに依存)
- Digital Binning機能搭載:2×2 mode, 4×4 mode
- 超高速スキャン:15秒(Digital binning使用最高感度時)
- サイズ:440x592x585mm
- 重量:67kg
- 定期的な交換部品:メタルハライドランプ(1,500時間毎)
本機では、これらの仕様を満たすため、光学系が一新されており、独自の高NA・高視野のGTレンズが搭載されています。GSR2300の基本性能関する詳細な説明を下記ページに記載しています。
小型・超高速・高感度糖鎖プロファイラー
この度、GlycoLiteの次世代機、GlycoSuperLiteTM 2200(GSL2200)が登場しました。従来のGlycoLiteは既に製造中止となり、外観と性能を大きく改善しての待望の糖鎖プロファイラー普及機となります。詳細な糖鎖構造解析よりも、糖鎖修飾の変化の様子を比較糖鎖プロファイリングで手短に知りたい、この目的にぴったりです。


本機は、高NAの5.5倍の縮小光学系を採用しており、レクチンマイクロアレイの蛍光画像をスキャンレスで一瞬に取り込むことができます。その為、超高速なスキャンが可能であり、10秒以下のスキャン時間を実現することに成功しています。世界最高速のエバネッセント波蛍光励起の糖鎖プロファイラーと言っても間違いではありません。実際にご使用になると、スキャナーという概念には当てはまらないその高速性に驚愕されることでしょう。しかし、この高速スキャンでも感度は犠牲にされておらず、検出限界感度=2ng/mLを実現しています。縮小光学系の採用によって、解像度はそれなりに低下していますが、500um前後のピッチのマイクロアレイであれば、問題なくスポットの同定と解析が可能です。装置の小型化も進み、本体重量は10kgとなり、従来のGlycoLiteの半分以下の軽さも実現されています。
- エバネッセント波蛍光励起:弱い分子間相互作用を非破壊で高感度検出
- 蛍光色素:Cy3単色
- 高感度:LOD=2ng/mL
- 超高速スキャン:10秒(最高感度時)、133msec(最速)
- サイズ:350x280x350mm
- 重量:10.4kg

購入された方がお得になります
この高性能を、GSR2300の20%以下、従来のGlycoLite 2200の半額以下の価格でご提供できます。GSL2200をご購入になり、ご自身の研究室で実験される場合と、受託解析サービスをご利用になる場合では、ランニングコスト(約3,000円/サンプル)を考慮しても、サンプル数が数十サンプルを超えてくると、ご購入された方がお得になります。
糖鎖解析ソフト
本機に付属する解析ソフトは、GlycoStation® ToolsProであり、現在はVer3.0が最新仕様となっています(略称、ToolsPro Ver3.0)。その主な仕様は下記の通りであり、糖鎖プロファイリングを行う上で必要な機能がまとめられた非常に使いやすい解析ソフトとなっています。
- 標準の45レクチン・7ウエルのフォーマットに加え、90レクチン・3ウェル、18レクチン・14ウエルの新規フォーマットにも対応
- 蛍光画像(TIF形式)を読み込み、グリッドを発生させて、各スポットの輝度を数値化(16bits)
- Backgroundについては、Local Background modeとGlobal Background modeを切り替えて使用可能
- 異なる感度条件で取得された2枚以上の画像を用いて、ゲイン統合(Data Integration)を行い、飽和しているレクチンスポットの信号を補正し、高輝度側のダイナミックレンジを拡大
- Binding curve(横軸にサンプル濃度、縦軸にNet Intensity)の描画により、最適サンプル濃度の決定が容易
- 比較糖鎖プロファイリング解析図を描画(最大10比較)
- 各種のデータ規格化法を搭載(Raw, Max Intensity, Average, Special Lectin)
- 描画した図は、クリップボードを利用し、簡単にPowerPointなどへコピー可能
- 描画した図の数値化データも、Excelにエクスポート可能
- 統計解析ソフトやDeep Learningソフト(GlycoStation® SA/DL Easy)へのデータエキスポートも可能
- レクチンマイクロアレイの各スポット位置のレクチン名も編集可能にて、如何なるカスタムチップにも即座に対応可能
本ソフトウェアーは、Dongle keyによって保護されています。

旧ソフトのダウンロードリンク
GlycoStation ToolsPro Ver1.5-Ver2.0 Installer
Sentinel System Driver 7.4.2 Installer
ソフトウェアー
統計解析・深層学習ソフト (GlycoStation® SA/DL Easy)
Pythonらのプログラミング言語に知識がなくても、マウス操作のみで深層学習のニューラル・ネットワークを構築し、Deep Learningが行えます。入力データはCSVフォーマットを使用します。ユーザーフレンドリーに徹した簡易ソフトにて、AIの世界をご自身でお試し頂けます。
下記サイトよりSA/DL Easyのマニュアルを見ることができます。
応用例をひとつご紹介しましょう。
国立成育医療研究所のグループは、レクチンマイクロアレイの糖鎖プロファイリングデータにDeep Learning(深層学習)を組み合わせることで、細胞の違いを超高精度で判別できることを実証しました。
レクチンマイクロアレイには、GlycoTechnicaのLecChip Ver1.0(モリテックス・グライコミクス研究所が開発・上市)が使用されています。同レクチンマイクロアレイには厳選された45種類の天然型レクチンが搭載されており、2007年に上市以降、レクチンアレイのデファクトスタンダートとして世界中で広く使用されています。Deep Learningは、ご存知のようにAIの一手法として色々な分野で応用が進んでおり、本研究ではGoogleのTensorFlowをバックエンドとし、Kerasをラッパーソフトとして使用しています。Deep Leaning の層構成は、入力層が45(レクチンの個数と同じ)、出力層が5(5種の細胞の判別を行うため)であり、隠れ層は1から5層であります。評価した細胞種は5種(Pluripotent stem cell, Mesenchymal stromal cell, Endometrial and ovarian cancer cell, Cervical cancer cell, Endometrial cell)であり、合計1,577サンプルを評価に用いています。得られた結果は驚異的であり、総合97.4%という高い判別能力を示しています。
研究開発消耗品
間葉系幹細胞およびEC細胞用培地

2022年7月28日より、お取り扱い開始です。幹細胞用培地が4種類があります。ボトル1本からお取扱致します。 成長因子、抗生剤、血清(10%)を含んでますので、そのままご使用可能です。培地につきましては、下記の特殊培地(EMUKK-Series)も含めまして、国内のお客様のみへのサービスとさせて頂いております。培地は生ものですので、基本的に受注を頂きましてから調合致します。納期としましては、一週間ほどお待ち頂きます。なお、本商品は、当ホームページのShopより、クレジット決済等により購入頂けます。
商品名 | 容量 | 用途 | 定価(内は、税抜き) |
Poweredby10 | 250mL | 間葉系幹細胞用DMEM | 25,300円(23,000円) |
Plusoid-M | 250mL | 間葉系幹細胞用MSCBM | 37,400円(34,000円) |
G031101 | 250mL | EC細胞用 | 19,580円(17,800円) |
M061101 | 250mL | 間葉系幹細胞用 | 21,450円(19,500円) |
培地名 | 適用細胞名 |
Poweredby10 | Yub621c, Yub621b, Yub621BMC, Yub622,Yub623, Yub10F, KUSA-A1, KUSA-H1, UE6E7T-1,KUSA-0, UE6E7T-2, KUM3, KUM4, UE6E7T-3, U3-DT, UE6E7TC-4, NRG, KUM9, UBE6T-6, UBE6T-7, UE7T-9, UE6ET-11, UE6E7T-12, UE7T-13, Yub631, Yub632, Yub633, UBET-15, UE6E7-16, Yub634, KUM6, KUM7, PL519, PL520, PL551SF, PL523, PL521, EPC-1, EMC100, EMC214, EM-E6/E7/hTERT-2, UtE1104, H-1A(H123), HAdpc-25-Bmi-1-TERT, HAdpc-26-E6-Bmi-1-TERT, HAdpc-28-E6E7-TERT, HAdpc-29-E7-TERT, H-1D(H162), UtE1104, Edom22, Yub2498c, Yub2502c, Yub2503c |
Plusoid-M | UCB302MSCs, UCBTERT-21, UCB408E6E7-31, UCB408E7-32, UCB408E6E7TERT-33, PL507, UCB408E7-TERT-34, PL508, PL509 |
G031101 | NCR-G1, NCR-G2, NCR-G3, NCR-G4 |
M061101 | Yub635, Yub637b, Yub636, Yub642p, Yub642, Yub637s, Yub462b, KUM10, KUM5, 9-15c, UC701, PL532, UC702, UC704, UC705, PL512, PL514, PL516, PL517, PL518 |
納期:木曜日までの受注にて、翌週の木曜日までに配送致します。
使用期限:製造後1ヶ月
保存条件:冷蔵推奨、冷凍は避けて下さい。
特殊培地

市販されていない特殊培地を販売しています。下記に示す論文等で実績のある特殊培地です。
新製品リリース, 2021年3月6日: EMUKK-35 (特殊培地)繊維芽細胞用に特に適する
新製品リリース, 2021年5月15日: EMUKK-05 (特殊培地)肝細胞用に特に適する
新製品リリース, 2021年5月15日: EMUKK-15 (特殊培地)上皮細胞用に特に適する
新製品リリース, 2021年5月15日: EMUKK-25 (特殊培地)間葉系間質細胞用に特に適する
商品名 | 容量 | 用途 | 定価(内は、税抜き) |
EMUKK-05 | 200mL | 肝細胞用に特に適する | 35,970円(32,700円) |
EMUKK-15 | 200mL | 上皮細胞用に特に適する | 33,880円(30,800円) |
EMUKK-25 | 200mL | 間葉系間質細胞用に特に適する | 31,460円(28,600円) |
EMUKK-35 | 200mL | 繊維芽細胞用に特に適する | 31,460円(28,600円) |
納期については、上記間葉系幹細胞用培地同様に受注生産品になりますことから、2週間ほど頂くことになります。早めのご注文をお願い申し上げます。なお、本商品も、当ホームページのShopより、クレジット決済等により購入頂けます。
本特殊培地に絡んだ肝細胞と推奨培地に関する情報ページは、下記にあります。
肝細胞(HepaMN細胞、ProliHH細胞)と推奨培地詳細
ESTEM-HE | EMUKK-05 |
ESTEM-EP | EMUKK-15 |
ESTEM-MN | EMUKK-15 |
ESTEM-MS | EMUKK-25 |
ESTEM-DC | EMUKK-35 |
培地の総合パンフレット
レクチンマイクロアレイ
レクチンマイクロアレイにつきましては、モリテックス・グライコミクス研究所が上市したLecChip Ver1.0およびグライコテクニカが上市したLecChip Ver2.0(LecChip Ver1.0と同一フォーマットを利用)の二種類があり、協力会社様から製造供給される予定です。ご用命の際には、エムックにお問い合わせください。Ver1.0とVer2.0の搭載レクチンとその糖鎖結合特異性は、下記の通りです(pdf参照)。Ver1.0は、モリテックスのグライコミクス研究所が2007年に上市して以来、同じレクチンを踏襲しており、網羅性も高く、世界の標準的なレクチンマイクロアレイと言っても過言ではありません。それに対して、Ver2.0は、リコンビナント化が大幅に進んでおり、ハイマンノース型糖鎖構造を認識するレクチンが充実 (Type I~IV)、Core fucoseやα-Galらに対して糖鎖結合特異性がより高いレクチンを搭載するなど新機能の追加を行っています、Ver1.0とVer2.0をあわせて83種レクチンを用いた糖鎖プロファリングが可能となっています。因みに、LecChipは、グライコテクニカの登録商標でした。

Lectin-Microarray-Ver1.0-Specificity.pdf

Lectin-Microarray-Ver2.0-Specificity.pdf

レクチン
今後、続々、特殊レクチンシリーズをリリース予定、最初の製品としてSeviLとMytiLecを予定。
SeviLは、糖脂質であるGM1b, asialo-GM1に糖鎖結合特異性を有し、MytiLecは、メリビオース Galα(1,6)Glc、グロボトリオース Galα(1,4)Galβ(1,4)Glcに糖鎖結合特異性を有する。
レクチン名 | 糖鎖結合特異性 |
Sevil | GM1b, asialo-GM1 |
MytiLec | Galα(1,6)Glc、Galα(1,4)Galβ(1,4)Glc |
新規バイオセンサー製品類

バイオセンシング, バイオイメージング装置の開発を進めています
新型コロナウイルス(COVID-19)も、徐々にワクチンの接種が進みだし、まだまだ時間はかかると思いますが、終息に向かっていくことでしょう。変異株についても、ワクチンの有効性は下がっても、現在のワクチンがまったく効かないということではないですし、恐らく変異に対するブーストワクチンも追加されていくことでしょう。
高感度な検査法としては、やはり遺伝子増幅が必須ですし、RT-PCRが今後ともゴールドスタンダードでしょう。しかし、遺伝子検査の高速化や簡易化を目指し、等温遺伝子増幅を用いた方法、CRISPRA-Cas12a, -13aを用いた方法らも登場してきています。
POCT狙いの観点でも、小型で安価な検査デバイスもいろいろ出てきています。検査の迅速化という点では、やはりプロトコル周りのチューニングが非常に大切ですが、検出法としては、電気的な検出方法が一番小回りが利くのではないでしょうか?そういった観点で、Redox反応を利用した電気化学的な検出法が一番面白いように思っています。
根圏光バイオームセンサー(rOBS)
現在、開発推進中です。光バイオームセンサー(OBS)ですが、2022年9月14日に、その基本特許の申請を済ませています(特願2022-146003)。
光バイオームセンサーの応用例の一つが植物の根圏です。植物の根の周辺には根圏細菌が共生しており、その多様で複雑な細菌の集団を根圏細菌叢と呼んでいます。この根と根圏細菌叢の共生の関係は、しばしば動物の腸と腸内細菌の関係に例えられます。
土壌診断で用いられる従来の指標、pHや水分量と言った化学的指標、土壌密度と言った物理的指標に加えて、生物学的な指標を検出できるセンサーの必要性が益々高まっています。
遺伝子解析技術の進歩によって、最近では、土壌から根圏細菌を分離培養しなくても、細菌叢の構成を解析できるようになっています。個々の細菌間の相互作用についても、菌根菌を助けるヘルパー細菌の存在が明確になるなど理解が進んできていますし、根圏細菌は、窒素の固定や土壌中の栄養素(リンやカリウムなど)の可溶化といった機能を示すだけでなく、植物病原菌を抑える抗菌物質や植物成長ホルモンらを代謝物として根圏に分泌し、土壌の肥沃さに大きく貢献しています。
このような観点から、植物の根圏の健康状態を的確に表す指標を捕まえる光バイオームセンサーが必要であり、それを用いて土壌の肥沃さをコントロールする方法を見出すことが最も優れた植物の管理方法に成り得ると考えるのです。
テクニカルサポート&サービス
Mxの豊富な経験を活かし、マイクロアレイスキャナー、マイクロアレイ、バイオマーカー探索、アッセイ・キットの開発など、幅広くご支援させていただきます。