根圏バクテリアのポテンシャル:赤トウモロコシの根圏細菌 Pseudomonas protegens EMM-1から優れた病原菌阻害物質が見つかった

Benemérita Universidad Autónoma de Puebla (BUAP), Puebla, Pue., Méxicoらのグループは、根圏バクテリア、シュードモナス属のグラム陰性桿菌 EMM-1(Pseudomonas protegens EMM-1)から抽出された病原菌阻害物質について報告しています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0240545

Pseudomonas protegens EMM-1 は、赤トウモロコシの根圏から単離されました。そして、そのPseudomonas protegens EMM-1 が効果的に肺炎桿菌や化膿性レンサ球菌らを阻害することが分かりました。

Pseudomonas protegens EMM-1から分泌される阻害物質の実態を調べる為、まず初めに、遠心分離で培養上清液を使用する方法を試しましたが、この中からは阻害物質は見つかりませんでした。代わりに、エタノールを用いた冷却リーチング法で寒天培地から阻害物質が抽出できました。この阻害物質は、下図のように強い阻害活性を示しており、将来、他の阻害物質が更に見つかってくる可能性を示唆します。

阻害物質の分子サイズは、3 から 10 kDaであると推察されました。阻害活性は 100°C で失われますが、-4°C から 60°Cの間では安定でした。また、pHの影響については、6から8の間で安定でした。残念ながら、本論文では、この阻害物質の分子構造の同定までは行われていません。

しかし、この研究は根圏バクテリアを評価することの重要性を示唆しており、医療や農業において、新しい病原菌阻害剤の開発につながるものと期待されます。

強い免疫圧力下で、80日間でSARS-CoV-2はNTDやRBDに変異を作って中和抗体から免疫を逃れた

Monoclonal Antibody Discovery Lab, Fondazione Toscana Life Sciences, Siena, Italyらのグループは、強い免疫圧力下で、SARS-CoV-2は、変異を導入することで、80日間にて回復期患者の中和抗体から逃れてしまった、という報告をしています。
https://www.pnas.org/content/118/36/e2103154118.long

ワクチン開発における重要な問題は、回復期患者やワクチン接種済み者の抗体免疫下で、ウイルスが完全に免疫を逃れるように進化できるか否か、ということです。この問題を検証するために、回復期患者の血漿とSARS-CoV-2 wild-type (WT) との混合物を Vero E6 細胞と共培養を行い、14継代、90日間に渡って評価しました。

この共培養実験に使われた血漿は、2020年3月から5月にかけて得られた20名のCOVID-19回復期患者の血漿から選別したものであり、この時期は、オリジナルのSARS-CoV-2 WT と SARS-CoV-2 D614G 変異株のみが存在していました。PT188 血漿が、SARS-CoV-2 S1–S2 サブユニットに対して最も強い結合力を示し、RBDに対して最も強い力価(1/1,280)を示しました。.

この血漿は、7継代に渡ってウイルスを完全に中和化しました。しかし、7継代45日後には、NTDのN3ループ内にF140欠損が発生したことでブレークスルーが始まりました。11継代73日目には、RBDにE484K変異が発生し、12継代80日にはNTDにN5ループが挿入され新しい糖鎖が付加されました。この事によって、SARS-CoV-2はPT188血漿の中和能力から完全に逃れてしまいました。

NTD内やNTDループ近傍に見られた変異や欠損は、実際に最近のSARS-CoV-2の変異株(アルファ、ベータ、ガンマ変異株)でも見られており、糖鎖の付加はウイルス(インフルエンザやHIV などの多く)が免疫圧力から逃れるために良く使用する戦略です。E484Kという本実験で見られた変異は、現実にもベータやガンマ変異株で見られる変異であり、非常に興味深いものです。

COVID-19が契機となり発症するギランバレー症候群

Emergency Department, San Carlos Clinical Hospital, Complutense University, Madrid, Spainらのグループは、COVID-19発症者とCOVID-19非発症者におけるギランバレー症候群の発症率の差異について報告してます。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/ana.25987

COVID-19発症者10万人当たりのギランバレー症候群の発症率は9.44(95% CI = 7.30–12.0)、COVID-19非発症者の場合は、10万人当たり0.69(95% CI = 0.56–0.84)となりました。オッズ比で表現すると、COVID-19発症者の場合、COVID-19非発症者に対するオッズ比は 13.5(95% CI = 9.88–18.4)ということになります。

ギランバレー症候群は末梢神経における自己免疫疾患であり、通常、ウイルスや病原菌の感染が引き金になります。
ギランバレー症候群の発症メカニズムは、次のようであると考えられています。
ウイルスや病原菌表面の糖脂質様抗原をターゲットとする抗体が産生され、それが神経軸索上のGM1に交差反応的に結合することによって捕体系路が活性化され、メンブレンアタック複合体が末梢神経システムにダメージを与える。


上図は、右記より引用 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8196284/

ブログ管理人は、SARS-CoV-2 Spike上のどの糖鎖構造がGM1に交差反応的な抗体を誘起しているのかについては定かではありませんが、恐らくGM1にも存在する Galβ1-3GalNAc 構造がその他糖鎖構造に比べてもっともらしいと感じます。

Googleのインデックス登録速度がカバレッジの増大とともに遅くなってきた

Mxのホームページを立ち上げてから、月に30件(日本語、英語版合わせれば60件)をアップしてきたので、そこそこのインデックス登録数になってきました。
しかし、その性なのか、Google Search Consoleでインデックス登録をリクエストしてから、実際にインデックス登録されるまでの速度が遅くなってきている気がします。
しかも記事数が500くらいに達してから顕著であり、インデックス登録の上限値に500というのがひとつの区切りとして存在するのかも知れないと思われます。
Mxの場合は、サイトができてからまだ日が浅く、トラフィックもそんなに多いこともないので、特にそうなのかも知れません。
Google担当者の解決法に関するコメントに、サイト全体をより強力にするためにページ数を減らす、という内容の発現があり、これって、ブログサイトの様に記事が増え続けるサイトの場合には問題ですよね。
https://youtu.be/6Lu2F_y54fg

MicrosoftのBingを検索エンジンにしてインデックス登録を確認すると、こちらはかなり高速(投稿したその日の内に)インデックスされているみたいで、猶更Googleが遅く感じます。
Google残念という思いがしてきました。
Bing万歳という感じです。

少し、新規記事投稿の速度を来月から下げることにします。

肺感染症を引き起こすスケドスポリウム属は、フコース特異的なSapL1レクチンを持ち、肺上皮細胞に結合する

Univ. Grenoble Alpes, Franceらのグループは、真菌であるスケドスポリウム・アピオスペルムムが持つレクチン、Scedosporium apiospermum Lectin 1 (SapL1)、の糖鎖結合特異性について報告しています。.
https://www.nature.com/articles/s41598-021-95008-4

スケドスポリウム・アピオスペルムムは、ヒトの肺感染症を引き起こす日和見真菌病原菌であり、土壌に広く分布しています。宿主と病原菌の相互作用は、しばしばレクチンが関係しており、結合を阻害するための糖鎖様分子の開発のための治療ターゲットとなっています。著者らのこの報告は、このSapL1と名付けられたレクチンの糖鎖結合特異性らについて初めてのものと思われます。

肺上皮細胞表面へのSapL1の結合リガンドを同定するために、585種類の糖鎖を固定化したCFGの糖鎖アレイVer5.4が使われました。SapL1をFITCにてラベリングし、ふたつの濃度(5 と 50 μg/mL)でアプライしました。SapL1 は、フコシル化された糖鎖を認識するようであり、フコースの修飾配位にはそれほど大きく影響されません。α1,2 および α1,3/4 配位のフコースで高いアフィニティーを示し、core fucose(α1,6 配位)ではアフィニティーが下がっていました。最も弱いアフィニティーを示すのは、多分岐のフコシル化糖鎖です。

血液型に関係する糖鎖に関して、SapL1 は、H-抗原(Fucα1-2Galβ1-4GlcNAcβ)に強く結合し、Lewis a(Galβ1-3(Fucα1-4)GlcNAcβ)そして Lewis X(Galβ1-4(Fucα1-3)GlcNAcβ)の順になりました。しかしながら、認識された分岐型糖鎖にはcore fucoseが含まれていました。ふたつのフコースユニットを含む構造、例えばLewis b や フコシル化ポリラクトサミン、は良く認識されました。B抗原やA抗原におけるα-Galやα-GalNAcの付加は、Fucα1-2 の認識に影響を与えていません。

COVID-19重症化の起点は、パイロトーシスにある:血中の単球の10%、肺のマクロファージの8%が、SARS-CoV-2の感染を受けている

Harvard Medical School, USAらのグループは、COVID-19の患者では、血中の単球の10%、肺のマクロファージの8%がSARS-CoV-2に感染しており、Fc受容体を介して抗体・ウイルス結合体が取り込まれることによって誘起される炎症性細胞死(パイロトーシス)がCOVID-19にとって諸刃の剣になっていると述べています。
https://www.researchsquare.com/article/rs-153628/v1

SARS-CoV-2がどのようにして炎症を引き起こすのかについて、未だにその全容が完全に理解されておりません。

単球とマクロファージは、それぞれ、血中および組織における、免疫の最前線にいる免疫細胞であります。これら免疫細胞は、ウイルスの侵入を感知すると、インフラマソームを形成し、caspase-1やガスダーミンD (GSDMD) を活性化し、炎症性細胞死を誘起するとともに、炎症性サイトカインを放出します。

単球は、一般的にACE2は発現していないとされ、実際、健常者(HD)の単球も、SARS-CoV-2によって活性化された単球においても、ACE2の発現はフローサイトメータでもqRT-PCRでも確認されませんでした。単球には2種のFcg受容体が存在します、一つはCD32(FcgRII、ほとんどの血中単球に存在)であり、もう一つはCD16(FcgRIII、COVID-19の患者で発現)であります。これらの受容体は、抗体・ウイルス結合体を認識し、抗体依存性貪食作用(ADP)によってウイルスを取り込みます。パイロトーシスや他の細胞壊死の病理的な特徴としては、LDHのような巨大分子の放出があります。実際、LDHの上昇は、重度のCOVID-19と優れた相関を示し、血中のGSDMD、IL-1RA、IL-18も重度のCOVID-19で顕著に増加、GSDMD eOTLsは、COVID-19の急性呼吸器不全と最も顕著に相関していました。

ウイルスを取り込んだ後、SARS-CoV-2は単球内で増殖しており、実際、dsRNAの検出などによりそのことは確認されました。しかしながら、感染は中断され、感染された細胞は、NLRP3、AIM2 inflammasome、caspase-1 、GSDMDらの活性化を介して炎症性細胞死を遂げます。更に、COVID-19で病死した患者の肺の検死から得られた肺胞マクロファージは、同じようなインフラマソーム活性化を示していました。これらのことを総合すると、抗体を介したSARS-CoV-2の単球やマクロファージの感染が、炎症性細胞死を引き起こし、それによってウイルスの増殖は止まるのですが、同時に炎症性サイトカインを放出し、COVID-19の重症化につながっていると考えられます。

感染力の強いSARS-CoV-2 デルタ株の蔓延もあるが、Pfizerのワクチン接種から半年も経つと感染リスクが上がりだす

Leumit Health Services, Israelらのグループは、Pfizerの2回ワクチン接種後の経過時間がSARS-CoV-2の感染予防に対して与える影響を調査しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8366798/

本研究のコホートサイズは、ワクチンの完全接種を受けた33,993名(49% 女性、平均年齢 47歳)を含んで居ます。Pfizer-BioNTech BNT162b2ワクチンの二回接種を受けたこの大きなコホートにおいて、ワクチン接種完了後146日(約5カ月)が経過すると、SARS-CoV-2に対する感染リスクが顕著に上がってくるということがあります。この傾向はすべての年齢層で同じなのですが、年齢が上がるほど感染リスクは上がっており、60歳以上の場合で、感染リスクのオッズ比は3.00倍に上がっていました。しかしながら、この研究期間を通じて、SARS-CoV-2の新しい感染はデルタ株(B.1.1627.2)であることを考慮する必要がありそうです(113名の内、93%がデルタ株)。

ブログ管理人は、現在のPfizer-BioNTech ワクチンはデルタ株に対しても有効なようですが、それにしてもワクチンを接種して半年も経つと防御効果が弱くなり始めており、三回目のブーストワクチンを考慮すべきであるように思います。

コメの根圏:シュードモナス・クロロラフィスは、コメの免疫防御を活性化するようだ

International Centre for Genetic Engineering and Biotechnology, Trieste, Italyらのグループは、コメの根圏におけるシュードモナス・クロロラフィス(Pseudomonas chlororaphis)の接種の影響について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8309335/

植物成長促進根圏バクテリア(PGPR)の中で、シュードモナス・クロロラフィス(P. chlororaphis)に属する株が、単子葉植物、双子葉植物、野生植物、栽培植物を含んで多様な植物と共生関係を作っています。P. chlororaphis は、現在、次の四種に分類されています、即ち、chlororaphis、aureofaciens、aurantiaca、pisciumであります。 P. chlororaphis は、植物プロバイオティクスとしての応用が注目されており、根圏バクテリアとして、走化性、運動性、バイオフィルム形成、リン可溶化、aminocyclopropane-1-carboxylic acid (ACC)デアミダーゼ、Indole-3-acetic acid (IAA)生産と制御など、植物に有利なフェノタイプが存在します。

P. chlororaphis は、異なった抗カビ材である Prn (pyrrolnitrin)、PCN (phenazine-1-carboxamide)、PCA (phenazine-1-carboxylic acid)、2-OH-PHZ (2-hydroxyphenazine)、HPR (2-hexyl-5-propyl-alkylresorcinol) 、HCN (hydrogen cyanide)らを生産します。これらの分子は、フサリウム菌 やその他菌類、植物炭疽病菌、疫病菌、フハイカビ、菌核病菌、イモチ病菌、リゾクトニア菌などのような植物病原菌の成長を阻害し、植物の健康を守ります。

P. chlororaphis の植物成長に対する影響を調査するために、幾つかの表現型パラメータが評価されました、例えば、クロロフィル、フラボノイド、窒素バランス指標などです。加えて、P. chlororaphis接種後90日目の植物の背丈、根の総量なども評価されました。 結果は、コントロールとP. chlororaphisを接種した植物の間で、殆ど何も統計的な有意差は観測されませんでした。ただ、窒素バランス指標の上昇傾向やフラボノイドの低下傾向は、P. chlororaphis接種した植物で見られました。結果として、本試験の環境下では、P. chlororaphisの接種は、植物に対して実質的な利益は何もないようだとの結論になりました。

しかしながら、P. chlororaphisの接種によって、植物の免疫力が強化されるという可能性があることは示されました。
P. chlororaphisを接種された植物では、接種後28日目において、多様なストレス応答性ジンクフィンガータンパク質をコードするOsISAP1遺伝子の発現が上昇しており、これは植物の免疫防御システムが活性化されたことを示すものだからです。

COVID-19で起こる頭痛の原因は、血中で上昇したHMGB1が三叉神経を刺激するからだと考えられる

Gazi University Hospital, Medical Faculty, Besevler, Ankara, Turkeyらのグループは、COVID-19における呼吸器感染からリリースされるHMGB1が三叉神経を刺激し、COVID-19の頭痛を招く原因になっているようだと、おそらく初めての報告です。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8358545/

COVID-19で頭痛に苦しんでいる患者では、HMGB1、NLRP3、ACE2、そしてIL-6の血中レベルが頭痛の無い患者よりも顕著に高くなっており、CGRPとIL-10は逆に低くなっていることが分かりました。

考察の結果、HMGB1が侵害受容的な特性を持つ炎症性分子となっており、SARS-CoV-2感染による炎症性反応の中でも中心的な存在となり、これが三叉神経に激しい信号を誘起し、頭痛を招く原因になっているとしました。細胞外のHMGB1 は、活性化されたマクロファージ、単球、NK細胞、樹状細胞からSARS-CoV-2のような病原菌・ウイルスの侵入に反応して分泌されます。ニューロン、アストロサイト、ミクログリア、そして上皮細胞らもサイトカインやインターフェロンの刺激を受けて、能動的にHMGB1を分泌することが出来ます。更には、急性呼吸器不全で受けた細胞傷害やネクローシスで死亡した多数の細胞からもHMGB1が放出され、血中のHMGB1濃度の上昇に輪を掛けます。

トウモロコシの根圏:トウモロコシの根のレクチン(MRL)にベータプロテオバクテリアのリポ多糖(LPS)のO-GalNAc残基が結合する

Universidade Federal do Paraná, Curitiba, Paraná, Brazilらのグループは、トウモロコシの根のレクチン(MRL)が、ベータプロテオバクテリア(Herbaspirillum seropedicae)のリポ多糖(LPS)のO-GalNAcを認識することで共生が開始されるようだと報告しています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0077001

リポ多糖(LPS)は、非常に複雑な巨大分子であり、グラム陰性細菌の細胞膜の外側に単分子層として排他的に存在します。この複合糖質は、3つの領域からなり、細胞膜の外側に分子をアンカーするLipid A、コアとなるオリゴ糖、そしてO-型糖鎖です。Herbaspirillum seropedicae(野生型)株のLPSは、様々なO-型糖鎖修飾を含むlipid Aを持ち、その変異体株LPSEB(waaL)は、O-型糖鎖修飾を持たないLipid Aのコアしか持っていません。ここで、H. seropedicae というベータプロテオバクテリアは、植物成長促進に関わるバクテリアであり、トウモロコシ、小麦、米、サトウキビといった主要な穀物の成長促進には欠かせないものとして認識されています。

H. seropedicaeの野生型と変異株 waaL は、両方ともドーズ(根圏への接種量)に依存した形で、トウモロコシの根表面へのコロニー形成を示しました(下図のA参照)。しかしながら、変異株 waaLの根のコロニーは明らかに野生型のそれよりも少なく、野生型と変異株を共接種した場合には、野生型がコロニーをほとんど支配し、変異株は追いやられてしまいました(下図のB参照)。

下図において、Aはトウモロコシの根圏に各々のバクテリアを独立に接種した場合を示し、Bは両方の株を1:1で接種した場合を示します。 なお、H. seropedicae 野生型は黒色で、変異株 waaLは灰色で示されています。

これらのことから、H. seropedicaeが根に接着しコロニーを形成する場合の第一ステップが、MRLレクチンとLPSのO-型糖鎖の相互作用であり、根の内部組織に侵入する為の根の表面におけるコロニー形成を他のバクテリアを押し退けて勝ち取る際の要になっていることが分かります。