アーカイブ: 2024年2月23日

DC-SIGNは、グラム陰性細菌のLPSの外側コア・オリゴ糖を認識する

Department of Chemical Science, University of Naples Federico II Via Cinthia 4, Naples, Italyらのグループは、DC-SIGNのLPSのコア糖鎖認識について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10828809/

リポ多糖類 (LPS) は、グラム陰性菌の外膜の主要成分であり、特異な糖脂質として知られています。それらは、構造的および遺伝的に異なる 三つのドメインで構成されています。一つは外膜に組み込まれたリピドAです。コアオリゴ糖は内側コア領域と外側コア領域からなります。そしてリピドAから対局の位置にO-抗原が存在し、細菌表面の外側に伸びています。
構造的に言えば、コアオリゴ糖は、外側コア領域として2残基のガラクトースと3残基のグルコース、内側コア領域として3残基のL-グリセロ-D-マンノ-ヘプトースと2残基の3-デオキシ-D-マンノ-オクト-2-ウロソン酸 ( Kdo)、そして還元末端には二つのグルコサミン残基がリピドAに結合して存在します。

膜貫通型C型レクチンの主な代表の一つは、CD209としても知られるDC-SIGNです。このレクチンは貪食細胞として機能するマクロファージ、単球、そして樹状細胞上に最も多く発現しており、DC-SIGN はマンノース受容体ファミリーに属するとされています。一方で、DC-SIGN によって誘導される樹状細胞の大腸菌の貪食作用は、O-抗原の非存在下、および完全なコアオリゴ糖の存在下で起こることが分かっています。

本研究では、DC-SIGNとLPSの相互作用に関して、DC-SIGNが外側コアの5糖(ガラクトース2残基とグルコース3残基で構成される)に結合し、DC-SIGNの2つの異なる四量体単位間の架橋剤として機能していることが示されました。

浸潤性の膀胱がんは、VVAレクチンで特異的に認識される

岐阜大医学部泌尿器科らのグループは、浸潤性の膀胱がんに見られる特異的な糖鎖マーカーについて報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10806140/

本研究では、VVL(VVAレクチン)が浸潤性膀胱がん癌の症例に存在することが判明しました。浸潤性膀胱がんでは、非浸潤性膀胱がんよりも強いVVL染色が観察されました。

VVLは、ポリペプチドTn抗原内のセリンまたはスレオニンに結合したGalNAc残基を認識します。 Galβ1,3GalNAc-α-Ser/Thr (T抗原) や GlcNAcα1,6-GalNAc-α-Ser/Thr (末端 α1,4- および β1,4-結合 GalNAc を含む) などの他の糖鎖構造にもVVLは結合しますが、その親和性は低くなります。

本研究成果から、VVLが将来の臨床研究におけるDDSの有望なターゲットとして機能する可能性が在ることが示唆されました。

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