アーカイブ: 2025年5月2日

複数個のレクチンを使用して得られたLPSの糖鎖プロファイルに機械学習を適用して細菌種を同定するセンサー

Department of Chemistry, Pavillon Alexandre-Vachon, 1045, avenue de la Médecine, Université Laval, Quebec, Canadaのグループは、複数個のレクチンを用いたLipopolysaccharide (LPS)の糖鎖プロファイルとそれに機械学習と組み合わせた細菌種の検出法について報告しています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12019741/

グラム陰性細菌の主要構成成分であるLPSの検出と分類は、医療、環境モニタリング、食品安全といった分野において根幹を成す重要な課題です。

本研究では、表面プラズモン共鳴(SPR)センサー上に固定化された2種類から7種類のレクチンパネルを用いた新たなアプローチが示されています。細菌固有の糖鎖結合プロファイルに基づき、機械学習手法と組み合わせることで、細菌種を高精度に同定できています。使用した機械学習手法は、ランダムフォレスト(RF)、k近傍法(kNN)、サポートベクターマシン(SVM)です。

このようなマルチプローブと機械学習手法を組み合わせた検出手法は、センサー構築における最近のトレンドと言えるでしょう。

潰瘍性大腸炎の患者ではシアル酸アセチル化が減少している

Center for Clinical Mass Spectrometry, College of Pharmaceutical Sciences, Soochow University, Suzhou, Jiangsu, Chinaらのグループは、SIAEを介したシアル酸アセチル化の減少が潰瘍性大腸炎の特徴となっていると報告しています。
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC12011031/

本研究では、質量分析法により、潰瘍性大腸炎患者のタンパク質および糖タンパク質の変化が健常者と比較されています。
潰瘍性大腸炎患者の組織ではシアル酸とそのアセチル化が減少しているのに対し、健常者ではシアリル化とO-アセチル化がより多くみられることが明らかになりました。

シアル酸は、特にアセチル化された状態では、免疫細胞間の相互作用を調節するメカニズムを通じて炎症を防ぎ、腸壁を有害な細菌から保護することで、腸内での過剰な免疫反応に対するバリアとして機能し、大腸において保護的な役割を果たしているとの見解です。

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