ピーナッツの栽培における連作と輪作の根圏細菌叢の違い:連作では、善玉菌が減少し、病原性真菌が増える傾向がある

College of Forestry, Shandong Agricultural University, No. 61, Daizong Street, Taian, 271018 Shandong Chinaらのグループは、ピーナッツの栽培における連作と輪作が与える根圏細菌叢の違いについて報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8854431/ 門のレベルでは、連作と輪作を比べると、 バクテリア門では、 プロテオバクテリア(輪作で高い)、クロロフレクサス(輪作で高い)、アキドバクテリウム(輪作で高い)、WPS-2(輪作で顕著に高い)、そしてファーミキューテス(輪作で顕著に低い)、 真菌門では、子嚢菌(輪作で高い)、ケカビ(輪作で顕著に低い)。 属のレベルでは、連作と輪作を比べると、 バクテリア属では、アシディバクター(輪作で高い)、プイア(輪作で高い)、ラルストニア(輪作で顕著に高い)、Clostridium_Sensu_Stricto_1(輪作で顕著に低い)、ツリシバクター(輪作で顕著に低い)、ロンバウシア(輪 […]

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HIV感染におけるウイルスエンベロープの糖鎖と宿主細胞表面の糖鎖との相互作用の重要性

Institute for Glycomics, Griffith University, Gold Coast, QLD 4222, Australiaのグループは、HIV感染における糖鎖ー糖鎖相互作用の重要性について報告しています。 Host glycocalyx captures HIV proximal to the cell surface via HIVのエンベロープに存在する糖鎖の役割に関しては、現在次のような事柄が知られています:(1)ヒトの免疫認識からHIVを保護する、(2)三量体エンベロープ構造を安定化させる、(3)糖鎖と宿主細胞側のレクチンとの(静電的)相互作用を介してTリンパ球のトランス感染を媒介する。 良く知られているように、HIVエンベロープには、約30個のN-型糖鎖結合部位が存在し、これらの部位の多くは、Man 5-9GlcNAc2 -Asn、およびMan3GlcNAc2 -Asnコア構造を含むオリゴマンノースN-型糖鎖で主に修飾されています。 HIVの侵入については多くのことが知られていますが、HIVエンベロープとCD4受容体依存性相互作用の前段階に存在 […]

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最も効果的に善玉菌を根圏に定着させる方法:推奨される接種法は、グラム陰性細菌とグラム陽性細菌でも違う

Department of Agronomy and Horticulture and Center for Plant Science Innovation, University of Nebraska – Lincoln, Lincoln, NE, USAらのグループは、植物にとっての善玉菌を根圏に定着させる接種法について比較検討をしています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8826558/ 植物成長促進細菌の接種方法は、宿主となる植物の根圏における根圏細菌のコロニー形成に影響を及ぼし、結果として植物成長に影響を与える可能性がある重要な要因です。種子接種は、農業生産に適しており、野外条件下で、商業規模で最も広く使用されています。種子にコーティングされたバクテリアの生存率を高めるために、泥炭スラリーなどのキャリアまたはアルギン酸塩ポリマーからなるフィルムコートは、乾燥や温度変化などの環境ストレスから接種する細菌を保護する層として良く使用されます。一方、植え付けの前後に土壌に細菌を接種する為には、土壌ドレンチ、または畝と畝の […]

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血中のC-マンノシル・トリプトファン(CMW)が、卵巣がんの優れた診断マーカーになり得る

和歌山県立医科大学らのグループは、C-マンノシル・トリプトファンの診断領域での応用について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC6924205/ C-マンノシル・トリプトファン(CMW)は、ヒトの尿から最初に単離されたグリコシル化アミノ酸であり、α-マンノースがC-C結合を介してトリプトファン残基のインドールC2炭素に結合している独特の糖鎖構造を持っています。 CMWは、翻訳後修飾としてヒトリボヌクレアーゼ2(RNase2)でも同定されました。 医療分野では、2型糖尿病に関連する腎疾患を含む腎機能障害のある患者で血中CMWが上昇することが最初に報告されています。癌生物学では、R-スポンジン2のC-マンノシル化が様々なヒト腫瘍細胞におけるWnt/β-カテニンシグナル伝達および遊走活性を活性化することが最近報告されました。この研究は、R-スポンジン2のC-マンノシル化が癌の進行の促進に関与していることを示唆しました。更に、C-マンノシル化の基質タンパク質であるスポンジン2(ミンディン)は、卵巣がん患者の血液中で増加してい […]

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病原性のないフサリウム・オキシスポルム変異株を使って、フサリウム青枯病を抑え、植物の生長を促進する

農研機構らのグループは、非病原性のフサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)の菌株が、病原性を持つフサリウム・オキシスポルム野生型菌株に対して示す生物的防除活性について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8828976/ 非病原性のF. oxysporumを使用してフサリウム病を防除するというアイデアは、フサリウム青枯病を自然に抑制するという土壌の研究から生まれました。 このレポートでは、以下の菌株を使用して、病原性フサリウム野生型に対する非病原性フサリウムの変異株の生物的防除活性を実証しています。 病原性フサリウム野生型菌株:F. oxysporum f. sp. melonis株 Mel020120 、およびF. oxysporum f. sp. lycopersici菌株 CK3-1 非病原性フサリウム菌株:F. oxysporum MFG6 、ΔFOW2 Mel02010 MF2-1 、およびΔFOW2 CK3-1 LF2-1 下図に示すように、非病原性フサリウム菌株の病原性フサリウム野生型菌株 […]

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SARS-CoV-2 オミクロンに見られるH655Y変異がSpikeタンパク質の切断を加速する

Department of Microbiology, Icahn School of Medicine at Mount Sinai, New York, NY 10029, USAらのグループは、SARS-CoV-2ガンマやオミクロン変異株に見られる655Y変異が、SARS-CoV-2の感染を加速していると述べています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8776496/ H655Y変異の影響を評価するために、H655Y変異を含む5種の変異株(MiA1、MiA2、NY7、NY13、WA1-655Y)と、H655Y変異を含まないコントロールとしての2種の変異株(WA1とNY6)を用意しました。VeroE6細胞とVero-TMPRSS2細胞を用いて、このウイルスパネルにおけるSipeタンパク質の切断と複製の違いを評価しました。これら655Y変異株の場合、総Spikeタンパク質の90%以上が切断されていました。対照的に、NY6およびWA1コントロールの場合は、切断効率が大幅に低下していました。 さらに、ヒト肺細胞様細胞を655Y(N […]

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アーバスキュラー菌根菌のトウモロコシへの接種効果について

Guangxi Colleges and Universities Key Laboratory of Crop Cultivation and Tillage, College of Agriculture, Guangxi University, Nanning, Guangxi, Chinaらのグループは、アーバスキュラー菌根菌(AMF)のトウモロコシへの接種効果について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8817564/ 5種の接種法を比較しています: Rhizophagusaggreratusを接種したトウモロコシ植物を、 RA 、 Claroideoglomus etunicatumを接種したものを、 CE 、 Funneliformismosseaeを接種したものを、 FM 、 これら3種のAMFを合わせて接種したものを、 MI 、 AMF接種のないコントロールを、 CK としました。 収穫期間中のトウモロコシにおける合計N、P、およびKのレベル(g plant-1)を測定し分析した結果を以下に示しま […]

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SARS-CoV-2 オミクロン株の重症化率は、デルタ株よりも低いが、Wuhan株とはほぼ同じ

Division of Infectious Diseases, Department of Medicine, Johns Hopkins University School of Medicine, Baltimore, MD, USAらのグループは、オミクロン株を含むSARS-CoV-2変異株の入院患者の重症化率について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8820675/ オミクロン変異体で入院したワクチン未接種の患者は、デルタ変異体の患者と比較して重篤な疾患または死亡を発症するリスクが低下していますが、重症化または死亡のリスクは、パンデミックの初期に流行したSARS-CoV-2系統(Wuhan株)と比較して類似していました。ワクチン接種を受けた患者の間では、患者が入院した後、デルタとオミクロンの亜種の間で重篤な病気を発症するリスクに差はありませんでした。 具体的には ワクチン接種を受けていない患者では, 入院から14日以内に重篤な疾患または死亡を発症した割合は、(27%)Wuhan株、(31%)アルファ、( […]

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