非小細胞肺癌の血清バイオマーカーについて:コンドロイチン硫酸プロテオグリカン

Department of Laboratory Medicine, Shanghai Tongji Hospital, School of Medicine, Tongji University, Shanghai, Chinaらのグループは、非小細胞肺癌の血清バイオマーカーについて報告しています。 https://respiratory-research.biomedcentral.com/articles/10.1186/s12931-023-02423-4 非小細胞肺癌患者においては、血清バーシカンおよび血清エクソソームバーシカンが有意に増加しており、T1 + T2 患者と比較して T3 + T4 患者で有意に昂進していました (P < 0.05)(ROCカーブ参照)。バーシカンとは、コンドロイチン硫酸プロテオグリカンです。血清バーシカンおよび血清エクソソームバーシカンは、ELISAキット(中国製)を用いて検出されました。

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注意欠如多動性障害(ADHD)における血清糖タンパク質の糖鎖修飾の変化について

Institute of Chemistry, Slovak Academy of Sciences, SK-84538 Bratislava, Slovakiaらのグループは、注意欠如多動性障害(ADHD)における血清糖タンパク質の糖鎖修飾の変化について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10218324/ 本研究は、血清蛋白質の糖鎖分析から糖修飾変化に基づいて新しいADHDのバイオマーカーを見つけ出すことが可能かどうかを判断することに焦点を当てています。本研究においては、レクチンマイクロアレイとMALDI-TOF MS法という2つの異なる技術を使用して血清東端質の糖鎖構造変が分析されています。 その結果、ADHDではコア・フコースの修飾が増加し、バイセクティングGlcNAc有する二分岐/三分岐N-型糖鎖、およびα2-3シアル酸修飾が減少することが判明しました。

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トマトの根から分泌されるヘキサデカン酸が善玉菌であるシュードモナス菌のバイオフィルム形成を最も強く促進する

School of Biotechnology and Pharmaceutical Engineering, Nanjing Tech University, Nanjing, Chinaらのグループは、トマトの根から分泌されるヘキサデカン酸が善玉菌であるシュードモナス菌のバイオフィルム形成を最も強く促進すると報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10220591/ 植物成長促進細菌は、その安全性、病気や害虫の生物学的制御、および耐環境性を誘導する能力により、農業用途で広く使用されつつあります。 それら善玉菌の根圏定着、走化性、バイオフィルム形成は、根からの分泌物と特定の代謝産物によって誘導されることが知られています。 本研究では、特定の濃度のシュードモナス・スタッツェリ NRCB010 を接種すると、トマトの成長が大幅に促進され、トマトの根からの分泌物に大きな変化が誘発されることが示されました。これらの分泌物の中で、n-ヘキサデカン酸が、シュードモナス・スタッツェリの成長、走化性反応、バイオフィルム形成、そして根 […]

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トリコデルマ菌をトウモロコシとスイカの種にコーティングした結果

Jiangsu Collaborative Innovation Center for Solid Organic Wastes, Educational Ministry Engineering Center of Resource-Saving Fertilizers, Nanjing Agricultural University, Nanjing, Chinaのグループは、トリコデルマ菌をトウモロコシとスイカの種にコーティングした結果について報告しています。 https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37195176/ 本研究では、真菌トリコデルマ guizhouense NJAU4742 を種子コーティングによってトウモロコシとスイカの種子細菌叢に接種させ、スイカとトウモロコシの種子コーティングが、植物の成長と根圏土壌の酵素活性を大幅に改善することを示しています。 種子コーティングされた種子の発芽率は、コントロールと比較して、トウモロコシでは植え付け後3日後で25%、スイカでは植え付け後8日後で35%それぞれ有意に増加していました。 トウモロコシへのトリ […]

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18F-labeled rBC2LCN レクチン複合体を膵臓癌のPETプローブとして使用する

Department of Gastrointestinal and Hepato- Biliary- Pancreatic Surgery, Faculty of Medicine, University of Tsukuba, Tsukuba, Japanらのグループは、18F-labeled rBC2LCN レクチン複合体を用いた膵臓癌のPETイメージングについて報告しています。 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/epdf/10.1111/cas.15846 本研究では、rBC2LCN-F-18 (18F) レクチン複合体の新しい陽電子放出断層撮影 (PET) 用プローブとしての応用の可能性について検討されました。 H-type-3型糖鎖陽性のヒト膵臓癌細胞株であるCapan-1を選択し、Capan-1細胞(2×106)をヌードマウスの右背部に皮下注射しました。rBC2LCN レクチンは H-type-3型糖鎖に対して結合特異性を有することが知られています。重要なのは、rBC2LCN は血球凝集(外因性レクチンが血液中に導入されると […]

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WGAレクチンの修飾を受けた抗生物質を内包するヒト血清アルブミン・ナノ粒子で尿路感染症を治療する

University of Vienna, Faculty of Life Sciences, Division of Pharmaceutical Technology and Biopharmaceutics, Vienna, Austriaらのグループは、WGAレクチンの修飾を受けた抗生物質を内包するヒト血清アルブミン・ナノ粒子(NP)を尿路感染症の治療に使用しました。 https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1549963423000369?via%3Dihub NPがどのように作られたのかを知るのはとても興味深いです。 NPの生成のために、20 mgのHSAを10 mlの100 mMリン酸緩衝液(pH 8)に溶解しました。その後、1 mlのオリーブ油をタンパク質溶液上に流し込み、超音波発生器のプローブマイクロチップを、2つの相の界面に挿入しました。緒音波パワー= 約253 W/cm2、振幅40 % でサンプルを2分間超音波処理しました。続いて、NPを遠心分離(5204×g、40分、4℃)で4回洗浄して分離しています […]

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胆管癌のバイオマーカーとして癌由来エクソソームのハプトグロブリンの末端フコース修飾が注目される

Department of Life Sciences, Pohang University of Science and Technology (POSTECH), Pohang, Gyeongbuk, Republic of Koreaらのグループは、胆管癌由来エクソソームのハプトグロブリンの末端フコース修飾が胆管癌のバイオマーカーとして有望であると報告しています。 https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fonc.2023.1183442/full 腫瘍の糖鎖修飾の変化は、潜在的な癌のバイオマーカーとして着目されています。多くの研究は、しかしながら、可溶性形態で血液を循環する分泌分子の異常な糖鎖修飾変化を見つけることに焦点を当てています。本研究では、細胞外小胞 (EV) と相関する膜結合成分の末端フコシル化が胆管癌と相関することが示されました。 糖鎖分析により、胆管癌由来のEVには通常のEVよりも多くのα1-3/4フコシル化糖鎖 (末端フコシル化) が含まれていることが明らかになりました。しかし、注目すべきことに、α1-6フコース […]

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癌治療のための志賀毒素Bユニット(STxB)を用いたDDSについて

enGenes Biotech GmbH, Muthgasse 11, 1190 Vienna, Austriaらのグループは、志賀毒素Bユニットを用いた癌治療のためのドラッグデリバリーシステム(DDS)について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10157870/ 志賀毒素Bサブユニット (STxB) は、レクチンの一種であり、標的腫瘍細胞上のスフィンゴ糖脂質 (GSL) グロボトリアオシルセラミド (Gb3) に特異的に結合します。モノメチルオーリスタチン E (MMAE) を StxB (STxB-MMAE) に結合させ、その腫瘍細胞殺傷能力を2種類の細胞、ヒト結腸直腸腺癌細胞株 – HT-29 (Gb3+) および LS-174 (Gb3-) を用いて評価しました。STxB-MMAE複合体は、Gb3 陽性腫瘍細胞に結合し、MMAE薬剤の取り込みと放出を誘導することで、治療後72時間で HT-29 腫瘍細胞を94%除去することができたと報告しています。

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病原性細菌類の初期付着および凝集を防止するための非殺生物性表面活性多糖類の特徴とは

Institut Pasteur Université Paris Cité, CNRS UMR 6047, Genetics of Biofilms laboratory, Paris, Franceらのグループは、病原性細菌類の初期付着および凝集を防止するための非殺生物性表面活性多糖類について報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10156666/ 細菌のバイオフィルムは、広範囲に表面付着して凝集した細菌群を形成し、医療用または工業用の表面で発生すると、人間の活動に悪影響を与えます。抗生物質に対する耐性が高いため、バイオフィルムを根絶することは困難であり、バイオフィルム関連感染の防止は、健康上および経済上の主要な問題となっています。バイオフィルムの形成を防ぐための戦略は、多くの場合、広域スペクトルの抗生物質や重金属などの殺生物剤で表面をコーティングして、細菌の付着の初期段階を阻害することです。これらの殺生物的アプローチは、死んだバクテリアや有機物の破片が急速に蓄積することによって、コーティングされた表面の新しい細 […]

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乾癬患者と健常者の常在皮膚細菌の違いについて

Biotechnology Department, College of Science, University of Baghdad, Baghdad, Iraqらのグループは、乾癬患者と健常者の常在皮膚細菌の違いについて報告しています。 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10133631/ 門レベルでは、乾癬患者の病変皮膚では、健常者と比較して放線菌が有意に増加し、ファーミキューテスが大幅に減少しましたが、プロテオバクテリアに有意差は見られませんでした。更に、本研究では、乾癬皮膚の皮膚における優勢な門が放線菌とファーミキューテスであることを示しています。

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