新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染防止用にコンタクトレンズをGriffithsinで修飾する

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)は、咽頭鼻腔だけでなく、目からも侵入してきます。
Sichuan University, Chengdu, Chinaのグループは、コンタクトレンズにマンノース結合型のレクチンであるGriffithsinをコーティングする方法を提案しています。
レクチンの使い方としては簡単で有効かも知れませんね。

https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpubh.2020.599757/full

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRT-PCRのCt-値について

Albert Einstein College of Medicineのグループは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のRT-PCRにおけるCt-値と死亡率の間の相関について、後ろ向き試験の統計解析から、その結果を報告しています。
https://journals.plos.org/plosone/article/authors?id=10.1371/journal.pone.0244777

新型コロナウイルスで入院した患者1044名に対する後ろ向き試験の結果です。
RT-PCRのCt-値を4分割して統計分析をしています。
Q1: Ct=<22.9
Q2: 23.0<Ct<27.3
Q3: 27.4<Ct<32.8
Q4: Ct=>32.9

結果として、院内死亡率とCt-値は逆相関していることが示されています。
つまり、Ct-値が低いほど院内死亡率が上昇し、Ct-値が高いほど院内死亡率が減少するようです。

言い換えれば、暴露したウイルス数が多ければ、あるいはまた体内でのウイルス増殖が多ければ、死亡率があがるということになります。

おしっこの色と泡立ちから新型コロナウイルスの診断や予後を予測する

Memorial Hospital Group, Istanbul, Turkeyのグループは、新型コロナウイルス(COVID-19)の診断や予後予測に尿の泡立ち状態が有効な指標になりうるという面白い報告をしています。
http://www.nclin.ist/jvi.aspx?un=NCI-42027&volume=

新型コロナウイルスの入院あるいはICUに入っている患者の尿は、その色がオレンジから赤みがかっており、テストチューブで尿を回収し、15秒振った後の泡立ちの状態を観察することで、新型コロナウイルスの診断を行いました。
診断の正確さは、感度=92%、特異度=89%であったとのことです。

健常者の尿は、淡黄色から淡黄褐色ですし、排尿後、尿が泡立っても消えてゆけば基本問題はありません。
しかし、尿の色は病態で変化し、
尿中のウロビリノーゲン、尿タンパク質、尿糖が増加すると泡立ちの強くなります。

ひとつの参考程度と考えておくのが妥当かも知れませんね。

新型コロナウイルス(COVID-19)においては、IL-10とIgGが逆相関している

Univ. of Virginia Health Systemのグループは、新型コロナウイルス(COVID-19)における、IgG, IgA, IgMの発現について、興味深い報告をしています。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.12.05.20244541v1

IgG, IgM, IgAは、重症化するほど高発現する。
IL-10とIgGが逆相関する
という結果を得ています。

 

 

 

 

 

IL-10というサイトカインは、通常抗炎症性サイトカインであると考えられており、
IL-10とIgGが逆相関する、
しかもIgGは重症化するほど高発現しているということは、
IL-10が炎症性サイトカインとして働いていることを示唆してはいないでしょうか?

ムール貝から抽出したR型レクチン”Sevil”は、asialo-GM1に強く結合する

リシンB鎖に由来するレクチンをR型レクチンと総称します。
植物毒素であるリシンはガラクトース特異的ですが、リシン様構造は生物分布が極めて広く、ガラクトース以外にもシアル酸、マンノース、キシロースなど多様な特異性をもちます。
ムール貝から抽出されたR型レクチン”Sevil”と命名は、asialo-GM1構造に特に強く結合するとのことです。
横浜市立大のグループより
https://www.nature.com/articles/s41598-020-78926-7

新型コロナウイルスの感染を押さえる低分子化合物(Protoporphyrin IX (PpIX), Verteporfin):SARS-CoV-2のACE2への結合を阻害

Fudan Univ.のグループは、FDA承認の医薬品である低分子化合物(Protoporphyrin IX (PpIX), Verteporfin)が効果的に新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染を押さえることをin vitroではありますが示しました。
これら化合物がACE2に結合し、SARS-CoV-2のACE2への結合を阻害するからです。

in vivoでの臨床試験が期待されます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2095927320307283?via%3Dihub

慢性的なHBVでは、樹状細胞のC-型レクチン受容体の発現量に変化が起こっている

樹状細胞(DC)は免役反応の最前線にいます。
ウイルス等の病原体が侵入すると、DCに発現しているトール様受容体(TLR)、C-型レクチン受容体(CLR)らが、病原体特有の分子構造を認識し、免疫反応の引き金を引きます。
樹状細胞のCLRとしては、DCIR/CD367/CLEC4A, DECTIN1/CD369/CLEC7A, DECTIN2/CLEC6A, DNGR1/CD370/CLEC9A, MMR/CD206, DEC205/CD205, DC-SIGN/CD209, langerin/CD207, BDCA2/CD303/CLEC4Cらが知られています。
これらレクチンの機能については、まだまだ不明点が多いのですが、例えば、
DCIRは、high mannose/fucose系の糖鎖に結合し、IL12やTNFαの分泌に抑制的に働き、DECTIN1は、β-1,3-glucansを認識し、逆にそれら炎症性サイトカインの分泌を促します。

Univ. Grenoble Alpesのグループは、慢性化したHBVにおいて、各種CLRの発現がどのように変化しているかについて、Flow cytometryを用いて行われた実験結果を元に考察を加えています。
https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/cti2.1208

DCには、CD1c/BDCA1 (cDC2s), CD141/BDCA3 (cDC1s), plasmacytoid DCs (pDCs)という三つのサブクラスが存在します。

    血中cDC2s:DECTIN1, MMRが減少
    肝臓内cDC2s:DCIR, MMRが減少
    血中cDC1s:DECTIN1, CLEC9Aが減少、FcɣRIIAが若干増加、
    肝臓内cDC1s:DCIR, CLEC9A, Fcɣ受容体, MMRが減少、DECTIN1が若干増加
    血中pCDs:ほとんど変化はない
    肝臓内pCDs:DCIRが増加、Fcε受容体が若干増加

というような変化が起こっています。

非常に変化は複雑ですが、HBVに慢性的に感染することで、DCのCLRの発現量に変化が起こっているという現象は注目に値すると思われます。
全般的には、CLRの発現が減少しているようであり、それによって、HBVが免疫系の攻撃から逃れやすくなっているのではないでしょうか?

アルツハイマー病の新規エクソソームマーカーを発見

産総研と京大のグループは、アルツハイマー病のマーカーとして、高性能な新規エクソソームマーカーを発見しました。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33345458/

アルツハイマー病の患者では、健常者に比べてエクソソームの糖鎖修飾に大きな違いがあり、強くハイマンノース修飾を受けていることを発見しました。
そこで、ハイマンノース特異的なレクチンを用いて、レクチンブロッティングを行った結果、80kDa付近に非常に強いバンドが見つかり、それがCD61(エキソソームのマーカー)であることが分かりました。

Tim4(T cell immunoglobulin and mucin domain-containing protein 4)とエクソソームの各種CDマーカー(CD61, CD41, CD63, and CD9)に対する抗体でサンドイッチアッセイを組んだところ、Tim4-αCD63が最も高い判別能力を示し、AUC=0.957が得られたとのことです。

新型コロナウイルス(COVID-19)に対するスタチンの効果

コレステロールを下げる治療薬としてスタチンは広く使われています。
ウイルスの感染においては、その感染のプロセスにおいて細胞膜に存在する脂質ラフトが介在するため、コレステロールやスフィンゴ脂質の変化がウイルスの感染に影響を及ぼすであろうことは十分に推察されます。
https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S0306987720333430?via%3Dihub

新型コロナウイルス(COVID-19)においては、重症化のHazard Ratio(HR)がスタチンの投与で大きく減少することが分かりました。
HR=0.70 (95% CI: 0.53 – 0.94)

一方、インフルエンザでもスタチンの効果は認められており、
オッズ比(OR)=0.72 (95% CI: 0.38 – 1.33)
というデータが報告されています。

しかし、スタチンが宿主細胞へのウイルス感染を押さえているのか?それともウイルスの複製を押さえているのか?を明確にするためには、更なる研究が必要です。

英国で大流行している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株(B.1.1.7)における遺伝子変異の様子

現在、英国で大流行している新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)変異株(B.1.1.7)における遺伝子変異についてのレポートが出ています。
https://virological.org/t/preliminary-genomic-characterisation-of-an-emergent-sars-cov-2-lineage-in-the-uk-defined-by-a-novel-set-of-spike-mutations/563

14個の非同義置換、6個の同義置換、3個の欠失が発生しており、かなり大規模な変異が発生しているようです。

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