膵管腺癌においては、ST6GAL1糖転移酵素とα2-6シアル酸が過剰発現している

Department of Chemistry, University of Alberta, Edmonton, AB, Canadaらのグループは、膵管腺癌においては、α2-6Sシアル酸とその糖転移酵素であるST6GAL1が重要なマーカーになり得ると述べています。
https://www.mcponline.org/article/S1535-9476(21)00132-8/fulltext

レクチンマイクロアレイ:
膵管腺癌においては、シアル酸の発現が顕著に増加しています。α2-6シアル酸(検出レクチン: SNA、TJA-I、PSL、平均増加率: ~ 2.7倍)、α2-3シアル酸(検出レクチン:diCBM40、SLBR-H、SLBR-B、SLBR-N、MAL-I、MAA、平均増加率:~ 3.4倍)。
コアフコース(PSA、LcH、~ 2.7倍)、bisecting GlcNAc(PHA-E、~ 2.2倍)、poly-LacNAc (WGA、DSA、LEA、∼ 2.1倍) らも健常者よりも増加しています。

糖転移酵素:
ST6GAL1 糖転移酵素が、内皮細胞、免疫細胞、膵管の癌化した領域で顕著に発現が上昇しています。加えて、ST6GAL1 の発現レベルが膵管腺癌の進行度とも相関しています。α2-3シアル酸の糖転移酵素である ST3GAL1 も多くの細胞で発現しているのですが、癌化した膵管領域では特に上昇していることはありません。