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謹賀新年 2024年元旦

昨年中は、大変お世話になり誠にありがとうございました。
本年も相変わらずご支援をお願い申し上げます。

昨年末、弊社の第一期決算期を無事終えることが出来ました。
無借金経営にて黒字を達成致しました。

2023年10月より発足したインボイス制度につきましては、本決算結果を踏まえまして、2025年1月1日から課税業者として対応させて頂きます。
2024年につきましては、引き続き免税業者となります。
インボイス制度に対しましては「仕入れ税額控除に関する経過措置として80%控除が可能」でありますので、宜しくお願い申し上げます。

合同会社エムック代表 山田雅雄

「土を育てる」ゲイブ・ブラウンが面白すぎる

この本が面白すぎます。
“土を育てる:自然をよみがえらせる土壌革命”

スマート農業とか、環境再生型農業とか、カーボン・ファーミングとか、次世代の農業を特徴づける幾つかのキーワードがあります。
スマート農業について、例えば、農林水産省が掲げる施策があります。
“スマート農業の展開について”

環境再生型農業という言葉は、割と実現したいことを的確に表現しているので、敢えて関連リンクを張ることはしませんが、地球環境を維持しながら持続可能な農業を実現するということです。
これがまさにゲイブ・ブラウンの「土を育てる」という本に書かれています。

カーボン・ファーミングという言葉はとても分かりにくいです。
例えば、同じく農林水産省の報告書があります。
“カーボン・ファーミングに関する報告書(最終版)”
これは同じく環境再生型農業と言っても、植物の生産性を上げるということ自体よりも、地球温暖化を抑え込むためのCO2の排出削減が主たる課題となっているものと理解しています。

スマート農業から話を始めましょう。
スマート農業というのは、農業の担い手の減少と高齢化の進行により労働力不足が深刻な問題となってきたというのが基本的な発端であり、農業の自動化を進めようというのが出発点です。
自動化を進めようとすると、第二次産業が見本ですが、作業の標準化とマニュアル化が必要になってきます。
それに比べて第一次産業である農業は、まだまだ「匠の技」の世界です。
従って、農業に関するあるとあらゆる現象を数値化してデータベース化し、そこに潜む関連性を作業のアルゴリズムに落とす必要があります。
最近のはやりで、そこをAIにやらしてしまえ~~というのがスマート農業の「スマート」の意味ですよね。

しかし、数値化するのは良いのですが、
本当に必要なものを数値化しているのか?
技術的に数値化しやすいものだけ数値化して満足してないか?
環境再生型農業の実現には最も大事なことなのに数値化が難しいからと細菌のそれを無視してないか?
というところに大問題があるのです。
この答えが、ゲイブ・ブラウンの「土を育てる」に書かれています。

植物と微生物の共生関係、ここをきちんと数値化できていないスマート農業なんて意味ありません。
ゲイブ・ブラウンは、土の5原則を示しています。
1.土を耕さない
2.土をカバークロップで覆う
3.あらゆる面で多様性を高める
4.土の中に生きた根を持つ
5.動物を組み込む
この意味は、この本を読むと良く分かります。

自分は、見えない根圏細菌・土壌細菌のON-SITEでの見える化を推進しています。
その時のキーワードは「安価、短時間測定、実用感度、簡単な操作」ということになります。
これ無くしては、スマート農業も環境再生型農業もカーボン・ファーミングも実現が遠のきます。

FDAはIgG1抗体医薬品用として9種類のレクチンを搭載した新規レクチンマイクロアレイを開発し、その迅速な糖鎖プロファイリングを推奨

FDAは、IgG1抗体医薬品の糖鎖エピトープを評価するために、9種類のレクチンを搭載した新規レクチンマイクロアレイを開発し、GlycoStation Reader 2300(GSR2300)と組み合わせた迅速な糖鎖プロファイリングの有効性を示しました。
2023 FDA Science Forum
投稿論文:A tailored lectin microarray for rapid glycan profiling of therapeutic monoclonal antibodies
FDAのホームページ記載
投稿論文:Lectin-Based Fluorescent Comparison of Glycan Profile—FDA Validation to Expedite Approval of Biosimilars

FDAの開発した新規レクチンマイクロアレイ(IgG1-mAb-LecChip)には、rPhosL, rOTH3, RCA120, rMan2, MAL_I, rPSL1a, PHAE, rMOA, PHELという9種のレクチンが固定化されており、標準的な14ウェルのLecChipフォーマットが使用されています。
IgG1モノクロナール抗体の糖鎖解析は、レクチンマイクロアレイでは糖鎖を切り出すことなく解析が可能であり、IgG1のインタクトで迅速な糖鎖プロファイリング解析が可能となっています。
FDAは、IgG1-mAb-LecChipとGlycoStationを使うことにより、IgG1抗体医薬品の開発時に、バッチ間またはバイオシミラーから先発品までの糖鎖修飾の比較分析がより簡便にハイスループットで行えるものとして製薬メーカーにその使用を推奨しています。

下図には、GlycoStationとLecChip(n=74 library)を用いて、IgG1の糖鎖解析に最適化されたIgG1-mAb-LecChipが開発された様子が示されています。

本技術の有効性を示す実例として、Infliximab先行品とそのバイオシミラーの間の糖鎖構造の違いをIgG1-mAB-LecChipとGSR2300を用いて評価した結果が下図に示されています。High Mannose構造、シアル酸修飾、3分岐N-型糖鎖らの存在量に顕著な違いがあることが一目瞭然で分かります。

PAA-糖鎖を癌細胞へのターゲティングに使用し、光照射で細胞毒性活性酸素種を放出させて癌細胞を選択的に殺す

School of Chemistry, University of East Anglia, Norwich Research Park, Norwich, UKらのグループは、糖鎖とレクチンの相互作用と光線力学的治療を組み合わせたDDSについて報告しています。
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2023/NA/D3NA00544E

レクチンの発現は、細胞の健康状態で変化する可能性があります。
例えば、癌では、糖鎖とタンパク質の相互作用は免疫チェックポイントとしても、癌転移時の新しい組織への再付着を回避する上で重要な役割を果たします。癌細胞では、増殖の増加により代謝も増加しており、その影響は糖鎖トランスポーターの増加にも反映されます。
乳癌細胞の場合には、ガレクチン、グルコーストランスポーター、マンノース受容体など、重要なレクチンと糖鎖結合受容体が上方制御されていることが分かっています。

新しい癌治療のDDSとして、PAA-糖鎖と光増感剤クロリンe6のアミン誘導体を金ナノ粒子上に化学的に結合されたものが開発されました。
PAA-糖鎖は標的のがん細胞に対する標的分子として機能し、光増感剤は特定の波長の光で活性化すると細胞傷害性活性酸素種を放出してがん細胞を死滅させます。

カナバリン・ビローサの種子から得られた「Cvill」と名付けられたレクチンの構造と特性

Laboratory of Biochemistry and Glycobiology, Department of Biotechnology, Ghent University, Belgiumらのグループは、カナバリン・ビローサの種子から得られた「Cvill」と名付けられたレクチンの構造と特性について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10649158/

Cvillは、Canavalia villosa の種子から単離された ConA様マンノース特異的レクチンです。

レクチン構造は、他のConA 様レクチンと同様に、237アミノ酸残基で構成されています。

Cvillは、β サンドイッチとしても知られる典型的なマメ科植物のレクチン折り畳み構造を持ち、サンドイッチに似たふたつの重ねられたベータシートの存在を特徴とします。これらのベータシートは逆平行のストランドで構成されており、一方のベータシートは6本の長くて平らなベータストランドで構成され、もう一方のベータシートは7本の湾曲したストランドで構成されています。Cvillは、二量体と四量体構造を取り得ると予測されました。

糖鎖アレイの実験により、Cvillは末端α-マンノシル残基および N-型糖鎖のトリマンノシドコアに対して親和性を示すことが示されました。

Cvill は、試験したすべての細胞株に対して用量依存的な細胞毒性を示しましたが、この毒性は糖鎖を介したものです。 Cvillは、HeLa細胞について 48 時間のインキュベーション期間後に 97.0 μg/mLのIC50 値を示しました。 Cvillは線維肉腫 (HT1080 細胞) および NHDF 細胞の生存率にも影響を及ぼし、48時間のインキュベーション期間後のIC50 値は 116.08 μg/mL および 108.34 μg/mL でした。

肝細胞癌では、ラミニン受容体インテグリンα6β1のGal修飾が減少し、癌細胞の浸潤が加速する

Graduate Institute of Anatomy and Cell Biology, College of Medicine, National Taiwan University, Taipei, Taiwanらのグループは、ベータ 1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ (B4GALT) が肝細胞癌では発現が低下しており、アガラクト型のN-型糖鎖の発現を促進し、インテグリンα6およびインテグリンβ1のラミニン結合活性を強化して、肝細胞癌細胞の浸潤が促進されると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10618527/

ハイマンノースN-型糖鎖の増加は子宮内膜の脱落膜化を妨げ、妊娠不全の原因となる

Liaoning Provincial Core Lab of Glycobiology and Glycoengineering, Department of Biochemistry and Molecular Biology, Dalian Medical University, Chinaらのグループは、レクチンマイクロアレイを使用した研究により、早期妊娠女性と比較して、流産患者の脱落膜組織ではハイマンノースN-型糖鎖修飾が増加していることが分かりました。それに呼応してマンノシダーゼであるMAN1A1が減少していました。搭載レクチンの中でも、マンノース結合レクチンである、NPA、HHL、LCHA、CALSEPA、および GNAらが顕著な変化を示していました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10616321/

MAN1A1の発現低下による異常に昂進したハイマンノース化は、子宮内膜の脱落膜化を阻害しました。
Long non-coding RNA (LncRNA) のスクリーニングにより、流産患者の脱落膜組織でLncNEAT1 が増加していることが明らかになりました。
更に、LncNEAT1はNPM1-SP1転写複合体と相互作用し、MAN1A1発現を阻害することによって、子宮内膜の脱落膜化と胚の着床を妨げることが判明しました。

SARS-CoV-2とバクテリアの重複感染

Department of Experimental Immunology, Amsterdam UMC location University of Amsterdam, The Netherlandsらのグループは、SARS-CoV-2感染によって活性化されるヒト樹状細胞(DC)に発現する細菌に対する主要な受容体であるTLR4を抑制する新規経路を発見したと報告しました。
https://journals.plos.org/plospathogens/article?id=10.1371/journal.ppat.1011735

SARS-CoV-2は、C-型レクチン受容体DC-SIGNと相互作用し、Raf-1を介したTLR4シグナル伝達の抑制を引き起こすようです。この結果として、SARS-CoV-2はDC-SIGNを介して樹状細胞の免疫機能を積極的に抑制してしまい、新型コロナウイルス感染症と細菌の重複感染が起こると、死亡率の上昇を引き起こすことになるということです。

植物成長促進効果を発揮する善玉菌としてのバチルス菌の根圏への定着と活性化を促す方法:SynComとPrebiotics

College of Resources and Environmental Sciences, Nanjing Agricultural University, Nanjing, Chinaらのグループは、植物におけるバチルス菌の生体防御メカニズムについてレビューしています。
https://ami-journals.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1111/1751-7915.14348

良く知られているように、バチルス菌は、持続可能な環境再生型農業を実現するために、植物病害の生物的防除として広く使用されて来ています。

植物の「Cry for Help」メカニズムとは、植物が特定のシグナルを出して、植物の健康を増進してくれる有益な微生物を呼び集めることで病原体の攻撃から自分を守る仕組みを指します。この仕組みは、免疫細胞がサイトカイン/ケモカインを分泌することで免疫細胞をさらに動員し、免疫を活性化するという人間の免疫とよく似ています。
根からの浸出液は、植物の病気に反応して善玉菌を動員するのに非常に重要であり、L-リンゴ酸、クエン酸、フマル酸、トリプトファン、トレオン酸、リジン、ペクチン、キシラン、アラビノガラクタンらが重要な浸出液として知られています。

植物病害の生物的防除のためのバチルス菌の使用は、冒頭で記したように世界中で一定の利益を達成しています。しかし、バチルス菌をフィールド条件下で実際に利用した場合に、その病害抑制効果が不安定であることが問題となっています。それは、土壌の特性、植物の遺伝子型、土着の微生物叢などの複雑で動的な要因がすべて、接種されたバチルス菌の定着と機能的有効性に影響を与えるからです。

この問題を解決するために、現在までに2種類の方法が提案されています。
ひとつは、「SynCom」と呼ばれる方法を使用することです。これは、バチルス、バークホルデリア、エンテロバクター、シュードモナス、およびアシネトバクターといった善玉菌から幾つかのキーストーン株を使用して構築された細菌コンソーシアムを使用するという方法です。
もうひとつは、いわゆる「Prebiotics」を活用することです。上で述べたように、根の浸出液から放出される特定のシグナルがバチルス菌を動員し、その活動を誘導します。従って、人間の腸内で有益な細菌を刺激するために広く応用されている方法と同様に、バチルス菌の動員や活性化に関連する化合物は、バチルス菌の根への定着と生物制御性能を高めるためのPrebioticsとして使用できます。この観点に立てば、スクロース、L-グルタミン酸、リボフラビンらの土壌への添加は、善玉菌であるバチルス菌の根圏定着を促進するためのPrebioticsとして使用できる可能性があります。

それにしても、まず必要なことは、根圏のバチルス菌を「見える化」して、経験則からの脱却を図る事でしょう。

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