タバコの黒色シャンク病にかかわる土壌細菌叢の特徴とバチルス菌による生物的防除の影響

Key Laboratory of Microbial Resources Collection and Preservation, Ministry of Agriculture and Rural Affairs, Institute of Agricultural Resources and Regional Planning, Chinese Academy of Agricultural Sciences, Beijing, Chinaらのグループは、タバコの黒色シャンク病にかかわる土壌細菌叢の特徴とそのバイオコントロールについて報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10108594/

病害が発生している圃場から得られたタバコ根圏土壌サンプルを病害群(D群)とし、健常なタバコが生育している対照区から得られたタバコ根圏土壌サンプルを健常群(H群)とし、病害を発症している圃場にタバコの苗木を移植した後、Bacillus velezensis S719からなる生物的防除剤で処理された圃場から得られたサンプルを生物的防除群(B群)として定義しました。

これらの圃場におけるDesease indexは、下図のようであり、H群で一番低く、D群で一番高く、バチルス菌の接種は病害の抑制に効果があることがわかります。

細菌分類群の相対的存在量を、網(class)レベルで比較した結果、次のような特徴がありました。
B群では、AlphaproteobacterがASVの27.2%を占め、同じグループの他の網よりも少なくとも2倍多い。
D群では、Actinobacterが豊富で、ASVの13%を占めていましたが、B群とH群の割合はそれぞれ10.6%と9.5%でした。
H群では、SphingobacteriaとCytophagiaが豊富で、それぞれ ASVの6.7%と3.5%を占めていました。