シアノバクテリアのレクチンCV-NがSARS-CoV-2感染を阻害

Molecular Targets Program, Center for Cancer Research, National Cancer Institute-Frederick, NIH, Frederick, MD, USAらのグループは、シアノバクテリアのレクチン、CV-N、がRBD領域外にあるSARS-CoV-2スパイクタンパク質の糖鎖に結合し、SARS-CoV-2の感染を阻害すると報告しています。
https://www.pnas.org/doi/full/10.1073/pnas.2214561120

シアノバクテリアのレクチン、CV-N、がSARS-CoV-2のすべての試験済み変異株 (WH-1、D614G、B1.1.7 (アルファ)、P.1 (ガンマ)、B1.351 (ベータ)、B .1.617.2 (デルタ)、および B1.1.529 (オミクロン)) に対して感染阻害効果を示し、そのEC50値は、オミクロンに対する40 nM から アルファに対する180 nM の範囲に分布しました。

CV-Nは、Spikeタンパク質に良好な親和力で結合しますが、そのRBDには結合しませんでした。詳細には、CV-N は、Spikeタンパク質のS1ドメインの N61、N122、および N234サイトに存在するオリゴマンノースに選択的に結合しました。N234サイトの糖鎖は、RBDの「シールディング」と「アップ」というコンフォメーションの安定化の両面で重要な役割を果たしていることが知られており、Spikeタンパク質のS1ドメインのN234サイトのへのCV-Nの特異的結合が、RBDのACE2への結合を立体障害的にブロックしている可能性が考えられます。