アーバスキュラー菌根菌接種による根圏細菌叢の変化と大豆の成長促進効果

Engineering Research Center of Agricultural Microbiology Technology, Ministry of Education, Heilongjiang University, Harbin, Chinaらのグループは、アーバスキュラー菌根菌(Rhizophagus intraradices)を大豆に接種し、大豆の成長効果や根圏細菌叢・真菌叢の変化について報告しています。
https://www.nature.com/articles/s41598-022-22473-w

フィールド実験は、パラメータとして、AM菌接種の有り・無し、および大豆の連作の有り・無しを振り、3重の実験として行われました。即ち、In0、In1、Non0、そしてNon1という4条件での比較です。

AM菌接種の効果は、根圏細菌叢の組成変化よりも根圏真菌叢の組成変化に大きく現れました。下図に示すように、最も優勢な属は、In1YSFおよびNon1YSFで、Subulicistidium でした。ただし、フサリウムは、In0YSF と Non0YSF で最も優勢な属でした。興味深いことに、フサリウムの相対存在量は、AM菌を接種することで、Non0YSF の 15.72% から In0YSF の 1.58% に激減していました。

これに呼応して、大豆根腐れ病指数は、AM菌の接種により有意に減少しました。たとえば、AM菌接種による病害指数は非接種に比べて66%に減少しています。そしてまた、大豆の生育/収量指数は、AM菌の接種で高くなり、非連作下でAM菌を接種した大豆で最も高くなっていました。