WGAレクチンがSARS-CoV-2の感染を阻止できる

Institute of Virology, Friedrich-Alexander University Erlangen-Nürnberg, Erlangen, Germanyらのグループは、WGAレクチンがSARS-CoV-2の感染阻害に使用でき、そのIC50 は、10 ng/mL以下であると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8508056/

Vero B4細胞をSARS-CoV-2PR-1(武漢型)に1時間感染させた後、さまざまな濃度のWGAで処理しました。 3日後に細胞培養上清を回収し、ウイルス産生量を、qRT-PCRおよびウエスタンブロットを用いて分析しました。 WGAによる処理によって、SARS-CoV-2の複製は大幅に抑制されました。 10 µg/mL WGAの濃度で、細胞培養上清中のウイルスRNAコピーは完全に消失しました。この阻害効果はWGAのドーズに綺麗に依存しており、ウエスタンブロット分析による確認では、WGAでの処理によるウイルス産生量の減少はより強くWGAのドーズに依存していました。つまり、これらのデータは、WGAがVero B4細胞でSARS-CoV-2に対して強い抗ウイルス活性を示し、IC50が10ng/mL以下であるということを初めて示したものです。

WGAの細胞毒性を確認する為に、Vero B4とCalu-3細胞を用いて細胞毒性アッセイを評価しました。Vero B4細胞の場合で、TD50 は、凡そ 50 µg/mLであり、このことは三桁に渡る広い治療ウインドーが存在し、in vivoでWGAをSARS-CoV-2の感染を押さえるために使える可能性を大いに示しています。今後の臨床研究に期待しましょう。