SARS-CoV-2におけるΔH69/V70という変異はどんな役割をしているのか?

University of Cambridge, UKらのグループは、SARS-CoV-2の多数の独立した系統においてみられるΔH69/V70という変異がどんな役割をしているのか?について述べています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34166617/

WTとΔH69/V70の変異の間には、オーバーオールに見て血清中和活性に対する反応性に差異は見られず、ΔH69/V70変異は抗体から逃れるという意味でのメカニズムは持っていないようです。

一方で、S2スパイクのウエスターンンブロットでは、ΔH69/V70の方が多量の切断されたSpikeがVirionsにもHEK293Tのライセートにも含まれていることが示されました。

結論としては、従って、ΔH69/V70 変異それ自身は抗体から逃れるという意味でのメカニズムは持たず、Spikeの切断を加速することによって感染率を増加させるという機能を持っているようです。