Burkholderia oklahomensis agglutinin (BOA) レクチンは、効果的にSARS-CoV-2の多くの変異株の感染を阻止できる

Department of Structural Biology, University of Pittsburgh School of Medicine, Pittsburgh PA, USAらのグループは、Burkholderia oklahomensis agglutinin (BOA) レクチンは、効果的にSARS-CoV-2の多くの変異株の感染を阻止できると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9810211/

本研究において、BOAレクチンが効果的にSARS-CoV-2の多くの変異株の感染を阻止できることが示されています(下表は、SARS-CoV-2変異株の種類とそれぞれに対するEC50の値をまとめたもの)。

SARS-CoV-2の変異株における糖鎖修飾には大きな違いがないことは良く知られています。恐らくこのことによって、そしてまたBOAレクチンが効果的にウイルス上のスパイクタンパク質同士の架橋を可能にしたり、或いはまたウイルス間をまたいでスパイクタンパク質を架橋することによってSARS-CoV-2の感染を不活化しているものと考えられます。

実際、BOAレクチンにはふたつのドメインがあり、結果として4個の糖鎖結合部位が存在し、それらが下図に示すようなウイルス内、ウイルス間のスパイクタンパク質の架橋を可能にしているものと思われます。