酸化ストレスを受けるとフコース転移酵素(FUT8)の発現が高まり、糖鎖のコアフコース修飾が昂進する

大阪大学応用化学らのグループは、酸化ストレス下では、FUT8の発現が高まると報告しています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0281516

遺伝子オントロジーのカテゴリーで定義される抗酸化応答には、典型的な抗酸化応答遺伝子である HMOX1 (ヘムオキシゲナーゼ 1) や GCLC (グルタミン酸-システインリガーゼ触媒サブユニット) など、441種類のヒト遺伝子が含まれています。これらの遺伝子の発現は、細胞内の酸化状態を低下させ、細胞を酸化ストレスから保護するのに役立つとされています。抗酸化応答によって糖鎖修飾に変化があるかどうかを確認するために、抗酸化物質であるとされる5-ヒドロキシ-4-フェニル-ブテノリド (5H4PB) とスルフォラファン (SFN)を投与した場合のヒト角化細胞細胞株 HaCaT におけるRNA発現解析が行われました。

本解析から、FUT8は両方の場合(5H4PBとSFN)で発現が高まることが示されました。これは、フコース結合性レクチンであるUEA-Iを用いたフローサイトメトリーによっても確認されました。.