連作畑では、燻蒸処理は生物剤処理よりも優れていた:どうしてなんでしょうか?

School of Minerals Processing and Bioengineering, Central South University, Changsha, Chinaらのグループは、連作畑では、燻蒸処理は生物剤処理よりも優れていたと報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9354655/

連作を続けると、土壌の生理化学的特性と根圏細菌叢が変化し、土壌の塩類化と酸性化も進み、有害な微生物を蓄積させ、肥料効率を低下させ、深刻な土壌伝染病を引き起こし、収量の減少と農業生産における莫大な経済的損失をもたらします。

本研究では、燻蒸および生物剤処理を評価して、連作障害を緩和できるかどうかについて評価が行われました。 三つの燻蒸処理、すなわちクロルピクリン (FM1)、ダゾメット (FM2)、および未処理のコントロール (CK_FM)、および三つの生物学的処理、すなわち微生物学研究所の Jian Ye 教授が提供する 2 つの生物学的薬剤 (AG1 および AG2)、および未処理のコントロール (CK_AG) が比較されました。

何と驚くべきことに、生物剤処理と比較して、燻蒸処理はより強力な病気の抑制効果を示しました。更に、燻蒸処理はpHを上昇させただけでなく、土壌中の栄養素の利用可能性を高め、作物の成長を刺激しました。

細菌の多様性は、生物剤と比較して、燻蒸剤の適用によって大幅に減少しました。これは、燻蒸化学物質がしばしば生物にとって有毒であるという事実によって説明できます。燻蒸剤は、食品、種子、または人間の住居に損害を与える昆虫、線虫、およびその他の動植物を殺すためによく使用されるものであり、よく知られた有毒物質です。多様な根圏微生物叢が病気の感染に対して植物に利益をもたらし、植物の成長を促進することは広く受け入れられていますが、これは燻蒸処理に関する本研究で得られた結果とは対照的です。

考えられる説明は、根圏細菌叢全体を破壊する燻蒸処理によって根圏細菌叢が再構築され、それによって土壌特性と植物の性能に変化が起こり、連作障害の効果的な緩和をもたらした、ということかも知れません。