ストラチフィン(SFN)とプレセプシン(P-SEP)がCOVID-19の重症化の早期予測マーカーとなる

国立医薬品食品衛生研究所 医療安全科学部門らのグループは、血中のストラチフィン(SFN)とプレセプシン(P-SEP)が、COVID-19の重症化の早期予測マーカーとして使用できると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9188980/

COVID-19 は、無症状から 急性呼吸窮迫症候群まで、幅広い症状を呈する感染症による呼吸器疾患です。重度または危機的な段階に至った急性呼吸窮迫症候群によって引き起こされる予後は不良です。従って、COVID-19 の重症例の早期発見が非常に重要です。

本研究では、肺損傷の5つのバイオマーカー、SP-D、KL-6、P-SEP、KAL、および SFN が分析されました。これらはすべて、血清サンプルで急性呼吸窮迫症候群またはその典型的な組織学的パターンである「びまん性肺胞損傷」に関連していることが示唆されています。 軽度または中等度の症状の患者と比較して、重度のCOVID-19 患者では、重度の COVID-19 のバイオマーカーとして提案されている P-SEP と同様に、血清 SFN が有意に上昇していることが初めて発見されました。

血清 SFN と P-SEP の両方が、重症前段階で明らかに上昇しています。重症前段階の診断におけるこれらのタンパク質の AUC 値 [95% CI] は、SFN で 0.83 [0.76–0.90]、P-SEP で 0.79 [0.69–0.89] でした。 COVID-19 患者の重篤前状態と軽度/中等度状態を区別する為の SFN と P-SEP のカットオフ値をそれぞれ 0.81 ng/mL と 374 pg/mL に設定した場合、感度と特異度は、SFNに対してそれぞれ 81.5%、70.1%、P-SEPでは、それぞれ 76.9% と 71.9% となりました。