胆管癌のバイオマーカーとして癌由来エクソソームのハプトグロブリンの末端フコース修飾が注目される

Department of Life Sciences, Pohang University of Science and Technology (POSTECH), Pohang, Gyeongbuk, Republic of Koreaらのグループは、胆管癌由来エクソソームのハプトグロブリンの末端フコース修飾が胆管癌のバイオマーカーとして有望であると報告しています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fonc.2023.1183442/full

腫瘍の糖鎖修飾の変化は、潜在的な癌のバイオマーカーとして着目されています。多くの研究は、しかしながら、可溶性形態で血液を循環する分泌分子の異常な糖鎖修飾変化を見つけることに焦点を当てています。本研究では、細胞外小胞 (EV) と相関する膜結合成分の末端フコシル化が胆管癌と相関することが示されました。

糖鎖分析により、胆管癌由来のEVには通常のEVよりも多くのα1-3/4フコシル化糖鎖 (末端フコシル化) が含まれていることが明らかになりました。しかし、注目すべきことに、α1-6フコース (コアフコース) はサンプル間で同等でした。結果として、胆管癌由来EVにおけるβ-ハプトグロブリン(β-Hp)のα1-3/4フコシル化は、胆管癌の早期診断や術後の再発予測のバイオマーカーとして有用であることが示されました。そして更に、胆管癌由来のフコシル化EVが腫瘍の進行に寄与していることも示されました。


胆管癌におけるEV-Hpのフコシル化の変化