欧州における新型コロナウイルスの第三波には、SARS-CoV-2のS-タンパク質にA20.EU1という変異が入っている

新型コロナウイルス(COVID-19)の第二波の感染拡大の背後には、SARS-CoV-2のS-タンパク質におけるD614Gという変異が関係しているという報告があります。D614Gの変異が入ったことで、ACE2に対するRBDのopen配位の確率が上昇し、感染率を押し上げたとされています。
https://www.cell.com/cell/fulltext/S0092-8674(20)31229-0

新型コロナウイルスは、現在第三波に入ったと言って良い状況ですが、この感染拡大においては、S-タンパク質のNTDにA222Vという変異が追加されているという報告があります。この変異が第三波の感染拡大の直接的な原因になっているかどうかについては、まだ不明です。また、フランスでは、同じくS-タンパク質のNTDにS477Nの変異が入った株の割合が高いとのことです。
https://www.medrxiv.org/content/10.1101/2020.10.25.20219063v1