新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対するアデノ随伴ウイルス(AAV)を利用したワクチンの開発

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)に対する先行するファイザーやモデルナのワクチンはmRNAタイプですが、下記のグループは、 adeno-associated viral (AAV)を利用したワクチンの試作評価を進めています。
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2021.01.05.422952v3.full.pdf

AAVを利用した遺伝子治療薬は、安全性が高い方法として認識されており、 遺伝子治療薬として、既に、Glybera, Luxturna, ZolgensmaらがFDAやEMAで承認されています。
二種類のAAVを利用したワクチンが試作されています。AAVCOVID-19-1(AC1)は、全長Sタンパク質がエンコードされており、感染した細胞の細胞膜上に抗原となるSタンパク質が発現します。もうひとつのAAVCOVID-19-3(AC3)は、Sタンパク質の一部をエンコードしており、抗原は分泌タンパク質の形態をとります。

 

 

 

 

評価は、マウスとサルで行われており、1回のドーズで5カ月間ほど免疫反応が持続したとのことです。保存も室温で1か月は問題がなく、AAVワクチンの量産については、方法論が確立しているので問題ないとのことです。なお、効果としては、AC1の方がAC3より高そうです。

しかし、ブログ管理人的には、抗原となる遺伝子が細胞に組み込まれてしまうことに一抹の不安を覚えますが、どうなのでしょうか?