新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)とABO血液型

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染については、O型のヒトは抵抗性が高く、A型のヒトでは抵抗性が低くなる、という報告が既にいくつかの研究機関から発表されています。このことから、抗A抗体の存在がSARS-CoV-2の感染防御に関係しているに違いないと推測されています。
Université Libre de Bruxelles (ULB), Brussels, Belgiumらのグループは、抗A抗体や抗B抗体の存在量が問題であり、それがSARS-CoV-2の感染のし易さに関係しているではと推測しています。
https://www.ijidonline.com/article/S1201-9712(20)32549-2/fulltext

O型:IgM 抗A+抗B凝集スコア:88.29±33.01(健常者)、76.93±34.93(COVID-19患者)
A型:IgM 抗B凝集スコア:30.40±18.84(健常者)、24.93±18.73(COVID-19患者)
B型:IgM 抗A凝集スコア:36.50±17.41(健常者)、28.56±17.41(COVID-19患者)

これらの結果から、抗A抗体や抗B抗体の存在量が少ないと、SARS-CoV-2への抵抗性が弱くなり感染しやすくなるということが言えそうですし、存在量が多くないと血液型の違いによる感染防止の効果は明確にはでてこないと考えられます。

抗A抗体や抗B抗体は、胃腸内細菌叢からの免疫刺激によって合成されます。これら抗体産生と微生物叢の存在量の両方は、個人の年齢と栄養状態によって大きく異なります。つまり、腸内細菌叢によるABO抗体産生の促進こそが、新型コロナウイルスの感染防止に役に立つということではないでしょうか!?