今更ですが、C型レクチン CD209/DC-SIGN, CD209L/L-SIGNが新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染受容体になり得るという指摘

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染受容体は、ACE2以外に、C型レクチンもそうである、という指摘は下記の論文に見ることが出来ます。
Harvard Medical School, July 30, 2020
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.07.29.227462v1
Boston University, Dec. 9, 2020
https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.06.22.165803v2
Boston University, (Dec. 22, 2020)よりReviewという形での論文がありましたので、それを参考にふたつのデータを紹介しようと思います。
https://www.mdpi.com/2079-7737/10/1/1

ACE2は確かに主要な感染受容体ではあるのですが、肺ではそれほど発現量が高くなく、むしろCD209/DC-SIGNの方が発現量が高くなっています。
CD209L, CD209, ACE2を過剰発現させたHEK293細胞を用いて、SARS-CoV-2の疑似ウイルスを感染させた実験も下記に示します。
ACE2は感染受容体として一義的に重要なのですが、ACE2の発現が弱い組織では、C型レクチンがSARS-CoV-2の感染を大いに介在していることは事実でしょう。
なお、これらC-type Lectin(DC-SIGN, L-SIGN)のCRDは、High Mannose構造を強く認識します。