SARS-CoV-2に対するhCoVs特異的なIgGの交差反応について

NMI Natural and Medical Sciences Institute at the University of Tübingenらのグループは、1,173名の血清/血漿サンプルを使用し、SARS-CoV-2感染者、非感染者に対して、SARS-CoV-2特異的およびhCoVs特異的なIgGについて評価した結果を報告しています。
https://www.nature.com/articles/s41467-021-20973-3.pdf

ヒトに風邪を引き起こすコロナウイルス(hCoVs)には、四種類(NL63, 229E, OC43, HKU1)が知られています。
下図のようにSARS-CoV-2とこれらhCoVsの間には、程度の差こそあれ、確実に相関関係が存在しています。SARS-CoV-2感染者の内、10%はSARS-CoV-2特異的なIgGが検出されておらず、この原因が、自然免疫によってウイルスが排除された結果なのか?それともhCoVs特異的なIgGの交差反応の結果なのかについては、今のところ不明です。