コウモリおよびげっ歯類から分離された二種のロタウイルスの糖鎖結合特性

北海道大学北海道大学国際人畜共通感染症研究所分子病態生物学部門らのグループは、コウモリやげっ歯類から分離されたロタウイルスA(RVA)の特徴について報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/36633410/

本研究においては、ザンビアで収集されたエジプトオオコウモリおよびナタール多乳動物マウスからRVAを分離し、その特徴を解析しています(代表的なウイルス株は、16-06 と MpR12)。
RVAゲノムは、11個のdsRNA セグメントで構成され、それぞれが6つのウイルス構造タンパク質 (VP) と 5つまた6つの非構造タンパク質 (NSP) をコードしています。RVAは、スパイクタンパク質VP4と糖タンパク質VP7 からなる外側キャプシド層を持つ、エンベロープのない三層ウイルス粒子構造を持っています。

16-06株は、細胞表面のシアル酸に結合することによって細胞に侵入するのに対し、MpR12株は、シアル酸非依存的に侵入することがわかりました。特に、その糖鎖結合特性は、16-06株は、ヒト型と動物型の両方のシアル酸、NeuAcとNeuGcを認識することが分かりました。