カンジダ・アルビカンスの細胞膜上のN型糖鎖(mannose core)が敗血症において抗炎症的に作用する

京都大らのグループは、カンジダ・アルビカンスの細胞膜上のN型糖鎖(mannose core)が抗炎症的に働くことを敗血症にて実証しています。
https://www.nature.com/articles/s42003-021-01870-3

Lipopolysaccharide(LPS)を用いてマウスに敗血症を誘起し、カンジダ・アルビカンス(J-1020株)の細胞膜上のN型糖鎖(マンノース構造)が抗炎症的に働くことを実証しています。J-1020からマンノタンパク質を抽出し、LPSにて敗血症を起こしているマウスに投与すると生存率が劇的に高くなります。この時に、抗炎症性サイトカインであるIL-10らがJ-1020の投与で高発現していることが確認されました。J-1020のマンノタンパク質がC-Type LectinであるDectin-2に結合することでこの一連の現象が起きているらしいことも確かめられました。Dectin-2をKOすると、生存率は急減し、J-1020を投与してもIL-10の分泌は上昇しませんでした。また、Dectin-2と特異的に相互作用するN型糖鎖の構造は、mannose coreであるらしきことも確認されました。