イヌエンジュレクチン(MAL)がACE2、ADAM17、Furinらの発現を大幅に抑制する:SARS-CoV-2の感染の抑制に新知見

Rowan University, Stratford, USAらのグループは、イヌエンジュレクチン(MAL, MAA, MASLらが呼称)がSARS-CoV-2の感染抑制に有効であるかも知れないと述べています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8019238/

口腔扁平上皮細胞をモデル細胞として、イヌエンジュレクチン(MAL)がACE2, ADAM17, Furin, 糖転移酵素(GalNAc-T, ST6GalNAc-1, and ST6GalNAc-2)の発現に与える影響をトランスクリプトーム解析にて調べました。
興味深いことに、これらがMALのdoseに依存した形で減少することが示されました。例えば、1925nMのMALの添加にて、ACE2のmRNA発現は60%低下、ADAM17は40%低下、ST6GalNAc-1も60%低下しています。これらの結果として、炎症性サイトカインの発現を誘起するシグナル源が減少し、サイトカインストームの抑制にもつながります。

なお、MALは、α2-3Siaに糖鎖結合特異性を持つことが知られています。