SARS-CoV-2 ラムダ変異株(L452Q, F490S)は、デルタ変異株(L452R, T478K)よりも感染力が高いことが確認された

University of Colorado, Aurora, USAらのグループは、SARS-CoV-2のラムダ変異株の方が、デルタ変異株よりも高い感染力を持つことを示しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34462744/

Pfizer-BioNTechのワクチンを接種した人達から得られる抗体の全体的な結合力は、6カ月もすると大幅に低下してきます(デルタ株の場合で約3.5倍、ラムダ株では約4倍低下します)。この事は、ラムダ株の方がデルタ株よりもワクチン接種で得られた免疫からより容易に逃れやすいという事を示しています。

ラムダ変異株のRBDにあるL452QとF490Sの変異は、RBDと感染受容体であるACE2の結合力に対して、デルタ変異株に比較して結合力を増すものではありません。しかしながら、これらの変異は、RBD内の疎水性パッチに影響を及ぼし、中和抗体の結合力を弱めてしまいます。これが、何故、ラムダ変異株の方がデルタ変異株よりも高い感染力を持つのか、という理由であると考えられます。