IgA腎症に扁桃腺由来のmicroRNA(miR-630)が関与している可能性を示す

IgA腎症は、尿のろ過装置である糸球体に免疫グロブリンの一つであるIgAが沈着する慢性腎臓病の代表的な難病疾患です。沈着するIgAにはそのO型糖鎖修飾に異常が発生していることも知られています。
Central South University, Changsha, Chinaらのグループは、IgA腎症で見られる糖鎖異常のIgAが扁桃腺単核細胞由来のmicroRNA(miR-630)によって制御されている可能性を示しています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fimmu.2020.563699/full

IgA腎症発症のメカニズムについては、扁桃腺由来のmiR-630が過剰に産生され、Toll様受容体4 (TLR4)が遺伝子ターゲットとなることで、NF-κBのシグナルパスを通してIgA産生と糖鎖修飾の異常を及ぼすのではないかと推論しています。