妊娠しているかいないかを尿の糖鎖修飾変化で読み取る

Shaanxi Key Laboratory for Animal Conservation, College of Life Sciences, Northwest University, Chinaらのグループは、尿中の糖鎖修飾変化から妊娠しているかいないかを診断する可能性について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10783609/

本研究では、レクチンマイクロアレイを使用して、ゴールデンスナブノーズサル (GSM) の尿中の糖鎖修飾パターンの違いが調査されています。 N-型糖鎖の種類、量、構造、N-型糖鎖のシアリル化とフコシル化の割合は、妊娠女性と非妊娠女性、および(非妊娠)女性と男性の間で異なることが示されています。この方法は、妊娠の診断や性別識別のための参考情報を提供し、動物の管理に役立つかも知れません。

ここで、pregnant (P)、non-pregnant (NP) females, および females (F)、males (M)であることを示す

耐塩性を持つアルファルファの根圏細菌叢には、バチルス、エンシファー、そしてシュードモナスが多く存在する

Key Laboratory of Grassland Resources of the Ministry of Education and Key Laboratory of Forage Cultivation, Inner Mongolia Agricultural University, Hohhot, China, らのグループは、耐塩性を示すアルファルファに見られる特徴的な根圏細菌叢について報告しています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fpls.2023.1324333/full

著者らは、耐塩性のアルファルファ品種の根圏細菌叢には、バチルス、エンシファー、シュードモナスがより多く存在することが、その耐塩性の向上を決定する上で重要であるようだと報告してます。

干ばつと洪水が与えるトウモロコシの根圏細菌叢の変化について

Nanjing Agricultural University, Chinaらのグループは、干ばつと洪水が与えるトウモロコシの根圏細菌叢の変化について報告しています。
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fmicb.2023.1295376/full

以下のような結果が得られています。
(1) 放線菌とプロテオバクテリアの二つの門の合計が細菌全体の50%近くの存在量を占め、
(2) 干ばつ期と再潅水期には二つの干ばつ-洪水突然変化(DFAA)グループにおいて放線菌が最も優勢な門であり、洪水期と収穫期にはプロテオバクテリアが最も優勢な門となりました。
参考に、以下の図において、DFAA1グループは微量降雨から洪水の状態を意味し、DFAA2は継続的な干ばつから洪水の状態を意味します。

ここで, Aは干ばつ期を示し、Bは洪水期を示す

謹賀新年 2024年元旦

昨年中は、大変お世話になり誠にありがとうございました。
本年も相変わらずご支援をお願い申し上げます。

昨年末、弊社の第一期決算期を無事終えることが出来ました。
無借金経営にて黒字を達成致しました。

2023年10月より発足したインボイス制度につきましては、本決算結果を踏まえまして、2025年1月1日から課税業者として対応させて頂きます。
2024年につきましては、引き続き免税業者となります。
インボイス制度に対しましては「仕入れ税額控除に関する経過措置として80%控除が可能」でありますので、宜しくお願い申し上げます。

合同会社エムック代表 山田雅雄

「土を育てる」ゲイブ・ブラウンが面白すぎる

この本が面白すぎます。
“土を育てる:自然をよみがえらせる土壌革命”

スマート農業とか、環境再生型農業とか、カーボン・ファーミングとか、次世代の農業を特徴づける幾つかのキーワードがあります。
スマート農業について、例えば、農林水産省が掲げる施策があります。
“スマート農業の展開について”

環境再生型農業という言葉は、割と実現したいことを的確に表現しているので、敢えて関連リンクを張ることはしませんが、地球環境を維持しながら持続可能な農業を実現するということです。
これがまさにゲイブ・ブラウンの「土を育てる」という本に書かれています。

カーボン・ファーミングという言葉はとても分かりにくいです。
例えば、同じく農林水産省の報告書があります。
“カーボン・ファーミングに関する報告書(最終版)”
これは同じく環境再生型農業と言っても、植物の生産性を上げるということ自体よりも、地球温暖化を抑え込むためのCO2の排出削減が主たる課題となっているものと理解しています。

スマート農業から話を始めましょう。
スマート農業というのは、農業の担い手の減少と高齢化の進行により労働力不足が深刻な問題となってきたというのが基本的な発端であり、農業の自動化を進めようというのが出発点です。
自動化を進めようとすると、第二次産業が見本ですが、作業の標準化とマニュアル化が必要になってきます。
それに比べて第一次産業である農業は、まだまだ「匠の技」の世界です。
従って、農業に関するあるとあらゆる現象を数値化してデータベース化し、そこに潜む関連性を作業のアルゴリズムに落とす必要があります。
最近のはやりで、そこをAIにやらしてしまえ~~というのがスマート農業の「スマート」の意味ですよね。

しかし、数値化するのは良いのですが、
本当に必要なものを数値化しているのか?
技術的に数値化しやすいものだけ数値化して満足してないか?
環境再生型農業の実現には最も大事なことなのに数値化が難しいからと細菌のそれを無視してないか?
というところに大問題があるのです。
この答えが、ゲイブ・ブラウンの「土を育てる」に書かれています。

植物と微生物の共生関係、ここをきちんと数値化できていないスマート農業なんて意味ありません。
ゲイブ・ブラウンは、土の5原則を示しています。
1.土を耕さない
2.土をカバークロップで覆う
3.あらゆる面で多様性を高める
4.土の中に生きた根を持つ
5.動物を組み込む
この意味は、この本を読むと良く分かります。

自分は、見えない根圏細菌・土壌細菌のON-SITEでの見える化を推進しています。
その時のキーワードは「安価、短時間測定、実用感度、簡単な操作」ということになります。
これ無くしては、スマート農業も環境再生型農業もカーボン・ファーミングも実現が遠のきます。

FDAはIgG1抗体医薬品用として9種類のレクチンを搭載した新規レクチンマイクロアレイを開発し、その迅速な糖鎖プロファイリングを推奨

FDAは、IgG1抗体医薬品の糖鎖エピトープを評価するために、9種類のレクチンを搭載した新規レクチンマイクロアレイを開発し、GlycoStation Reader 2300(GSR2300)と組み合わせた迅速な糖鎖プロファイリングの有効性を示しました。
2023 FDA Science Forum
投稿論文:A tailored lectin microarray for rapid glycan profiling of therapeutic monoclonal antibodies
FDAのホームページ記載
投稿論文:Lectin-Based Fluorescent Comparison of Glycan Profile—FDA Validation to Expedite Approval of Biosimilars

FDAの開発した新規レクチンマイクロアレイ(IgG1-mAb-LecChip)には、rPhosL, rOTH3, RCA120, rMan2, MAL_I, rPSL1a, PHAE, rMOA, PHELという9種のレクチンが固定化されており、標準的な14ウェルのLecChipフォーマットが使用されています。
IgG1モノクロナール抗体の糖鎖解析は、レクチンマイクロアレイでは糖鎖を切り出すことなく解析が可能であり、IgG1のインタクトで迅速な糖鎖プロファイリング解析が可能となっています。
FDAは、IgG1-mAb-LecChipとGlycoStationを使うことにより、IgG1抗体医薬品の開発時に、バッチ間またはバイオシミラーから先発品までの糖鎖修飾の比較分析がより簡便にハイスループットで行えるものとして製薬メーカーにその使用を推奨しています。

下図には、GlycoStationとLecChip(n=74 library)を用いて、IgG1の糖鎖解析に最適化されたIgG1-mAb-LecChipが開発された様子が示されています。

本技術の有効性を示す実例として、Infliximab先行品とそのバイオシミラーの間の糖鎖構造の違いをIgG1-mAB-LecChipとGSR2300を用いて評価した結果が下図に示されています。High Mannose構造、シアル酸修飾、3分岐N-型糖鎖らの存在量に顕著な違いがあることが一目瞭然で分かります。

PAA-糖鎖を癌細胞へのターゲティングに使用し、光照射で細胞毒性活性酸素種を放出させて癌細胞を選択的に殺す

School of Chemistry, University of East Anglia, Norwich Research Park, Norwich, UKらのグループは、糖鎖とレクチンの相互作用と光線力学的治療を組み合わせたDDSについて報告しています。
https://pubs.rsc.org/en/content/articlelanding/2023/NA/D3NA00544E

レクチンの発現は、細胞の健康状態で変化する可能性があります。
例えば、癌では、糖鎖とタンパク質の相互作用は免疫チェックポイントとしても、癌転移時の新しい組織への再付着を回避する上で重要な役割を果たします。癌細胞では、増殖の増加により代謝も増加しており、その影響は糖鎖トランスポーターの増加にも反映されます。
乳癌細胞の場合には、ガレクチン、グルコーストランスポーター、マンノース受容体など、重要なレクチンと糖鎖結合受容体が上方制御されていることが分かっています。

新しい癌治療のDDSとして、PAA-糖鎖と光増感剤クロリンe6のアミン誘導体を金ナノ粒子上に化学的に結合されたものが開発されました。
PAA-糖鎖は標的のがん細胞に対する標的分子として機能し、光増感剤は特定の波長の光で活性化すると細胞傷害性活性酸素種を放出してがん細胞を死滅させます。

カナバリン・ビローサの種子から得られた「Cvill」と名付けられたレクチンの構造と特性

Laboratory of Biochemistry and Glycobiology, Department of Biotechnology, Ghent University, Belgiumらのグループは、カナバリン・ビローサの種子から得られた「Cvill」と名付けられたレクチンの構造と特性について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10649158/

Cvillは、Canavalia villosa の種子から単離された ConA様マンノース特異的レクチンです。

レクチン構造は、他のConA 様レクチンと同様に、237アミノ酸残基で構成されています。

Cvillは、β サンドイッチとしても知られる典型的なマメ科植物のレクチン折り畳み構造を持ち、サンドイッチに似たふたつの重ねられたベータシートの存在を特徴とします。これらのベータシートは逆平行のストランドで構成されており、一方のベータシートは6本の長くて平らなベータストランドで構成され、もう一方のベータシートは7本の湾曲したストランドで構成されています。Cvillは、二量体と四量体構造を取り得ると予測されました。

糖鎖アレイの実験により、Cvillは末端α-マンノシル残基および N-型糖鎖のトリマンノシドコアに対して親和性を示すことが示されました。

Cvill は、試験したすべての細胞株に対して用量依存的な細胞毒性を示しましたが、この毒性は糖鎖を介したものです。 Cvillは、HeLa細胞について 48 時間のインキュベーション期間後に 97.0 μg/mLのIC50 値を示しました。 Cvillは線維肉腫 (HT1080 細胞) および NHDF 細胞の生存率にも影響を及ぼし、48時間のインキュベーション期間後のIC50 値は 116.08 μg/mL および 108.34 μg/mL でした。

肝細胞癌では、ラミニン受容体インテグリンα6β1のGal修飾が減少し、癌細胞の浸潤が加速する

Graduate Institute of Anatomy and Cell Biology, College of Medicine, National Taiwan University, Taipei, Taiwanらのグループは、ベータ 1,4-ガラクトシルトランスフェラーゼ (B4GALT) が肝細胞癌では発現が低下しており、アガラクト型のN-型糖鎖の発現を促進し、インテグリンα6およびインテグリンβ1のラミニン結合活性を強化して、肝細胞癌細胞の浸潤が促進されると報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10618527/

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