重度のグリオーマ(神経膠腫)における特徴的な糖鎖修飾の変化

Quilmes National University, Bernal, Buenos Aires Province, Argentina らのグループは、グリオーマ(神経膠腫)における特徴的な糖鎖マーカーについて報告しています。
https://www.oncotarget.com/article/27850/text/

重度のグリオーマにおいては、N型糖鎖の末端シアル酸修飾の昂進と多分岐N型糖鎖の昂進が特徴です。シアル酸修飾は、α2-3が主となり、末端のフコース修飾を伴う形で、末端修飾構造はSLex型になっています。これを裏付けるように、糖転移酵素(α1,3-fucosyltransferases (FuT3-7 and 9-11) , α2,3-sialyltransferases (ST3Gal3/4/6))も高発現しています。下図で、LN299, T98Gが重度のグリオーマであり、その他は軽度のそれです。

腫瘍細胞表面の糖鎖プロファイルの変化は、新規糖鎖マーカーや糖鎖をターゲットとした治療薬開発の基礎となる、と締めくくっています。