糖鎖関連ビジネスを成功させる為には何が必要なのか?というブログ記事を2025年7月1日に投稿しています。今回の記事では、少しブログ管理人が絡んだ実例を織り込んで、より見えやすい形で記載してみようと思います。
実は、ブログ管理人が、過去に大手製薬企業のNovartisとスタンフォード大学との共同研究で下記のような論文を投稿したことがあります。
Transient expression of an IL-23R extracellular domain Fc fusion protein in CHO vs. HEK cells results in improved plasma exposure
これはサイトカイン(IL23)をCHOとHEKで発現させたときに(実際には、Fc-fusionプロテインとして発現させています)、両者には薬理動態的に大きな差異があり、その差異は糖鎖修飾の違いによるものだったというお話です。CHOで発現させたIL23の方が血中濃度が高くなります。
この実例は、糖鎖修飾の様子を変えてあげることで、バイオ医薬品に関してそのバイオベターが容易に開発できる可能性を示しています。
今日現在、如何なるバイオ医薬品が上市されているのかについては、国立医薬品食料衛生研究所の下記情報が参考になります。
承認されたバイオ医薬品
リストされているバイオ医薬品について、発現している典型的な糖鎖構造に関する記述があります。ご存知のように、糖鎖は非常にヘテロな集団ですので、記載されている糖鎖構造の派生構造が多様に発現しています。CHOらの発現系を使うと、100%単一な糖鎖構造が発現することはあり得ません。それにしても、バイオ医薬品として既に認可されている医薬品に発現している糖鎖構造について、それが薬効としてベストな構造としての選択を経た結果であるのか?それとも使用している発現系の結果としてそうなっているのか?については、ブログ管理人には全く不明です。
ブログ管理人が言いたいのは、つまり、すでに認可されているバイオ医薬品の糖鎖構造を再吟味することで、バイオベターが生まれる可能性は非常に高いのではないか?という事です。抗体医薬品に対しては、ポテリジェント技術が非常に有名ですが、酵素、血液凝固線溶系因子、ワクチン、ホルモン、インターフェロン、サイトカインらそれ以外のバイオ医薬品についても、それぞれの医薬品に対応して、その薬効をバイオベターとして生かせる糖鎖構造があるかも知れないということです。
糖鎖創薬は視点を変えるべし、これがバイオベターへの近道なのではないでしょうか?