新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染阻害に、予想外にIgMが大きな役割を果たしている

University de Montreらのグループは、新型コロナウイルス(COVID-19)の回復期患者=25名の血漿を用い、IgM, IgA, IgGのSARS-CoV-2中和活性を相対評価した結果を報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33596407/

アイソタイプ特異的なリガンドを固定化したビーズを用いて、IgM, IgA, IgGをそれぞれ選択的に除去します。それぞれが除去された血漿に対して、SARS-CoV-2の疑似ウイルスの阻害希釈(ID50)を評価した結果が下図です。IgMの除去血漿では中和活性が5.5倍減少、次点はIgGの除去で4.5倍減少、IgAの除去は2.4倍という結果。IgMは、全免疫グロブリンの5%にしか過ぎないことも考えると、以外にもIgMの中和活性が大きいことが分かります。