新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化には年齢が関係するという普遍的な傾向、およびその理由について

新型コロナウイルス(COVID-19)において、年齢が上がるほど重症化しやすいという事実は良く知られています。この現象は、covid-19に特有のものではなく、過去に起こったSARSやMARSでも同様な傾向を示しています。
下記には、7か国の最新のCOVID-19致死率を年齢毎にまとめた結果が報告されています。
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0241031

 

 

 

 

 

年寄りは危ない、上図は見事にこのことを証明しています。しかし、何故年齢が上がるに従って致死率が上昇するのか?この原因については、まだまだ明確にメカニズムが分かっているとは言えません。

しかし、一般論的に、年齢が上がると、(1)樹状細胞や肺胞マクロファージが減少する、(2)ウイルス由来のRNA受容体であり自然免疫を活性化するTLR7やMDA5の発現量が低下する、(3)逆に好中球や単球マクロファージらは増加傾向にあるものの、その食作用らの免疫機能は年齢と共に減少する傾向にある、ということは言えます。つまり、自然免疫と獲得免疫のアンバランスが重症化を招いているというのが無茶苦茶大まかな描像のようです。

https://www.jci.org/articles/view/144115