心臓の部位によって糖鎖修飾が異なり、老化に伴う糖鎖構造の変化も異なっている

東京都健康長寿医療センター研究所)心血管老化再生医学研究らのグループは、心臓の部位ごとに異なる糖鎖修飾とその老化に伴う糖鎖構造の変化について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9841240/

マウスの心臓組織から、左心室壁 (腹側と背側)、乳頭筋心室中隔らを含む8箇所の組織切片の糖鎖修飾の状態を、三つの年齢層(2か月、12~14 か月、23~25 か月)に対して、レクチンマイクロアレイを用いて解析しています。

生後2か月のマウスの心臓の8箇所の糖鎖修飾の違いを、主成分解析を用いて詳細に検討しました。興味深いことに、糖鎖プロファイルが心臓組織の各領域で異なることが分かりました。例えば、乳頭筋と心室中隔は、シアル酸によって特徴付けられ、腹側左心室壁はO-型糖鎖と多分岐のアシアロ型N-型糖鎖によって特徴付けられました。

また、部位によって糖鎖修飾の変化率は異なりますが、加齢と共にシアル酸の残基量が減少することも示されています。