全身性エリテマトーデスにおけるB細胞、T細胞の糖鎖修飾変化について

Departamento de Medicina y Zootecnia de Cerdos, Universidad Nacional Autónoma de México, Ciudad de México, Mexicoらのグループは、全身性エリテマトーデスにおけるB細胞、T細胞の糖鎖修飾変化について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9820943/

全身性エリテマトーデスは、自己免疫疾患であり、体中のあらゆる組織に影響を及ぼします。

B細胞の場合、糖鎖修飾の変化に関する研究は主に免疫グロブリンに向けられています。 全身性エリテマトーテス患者は、免疫グロブリンG(IgG) の糖鎖修飾に変化があります。フコシル化残基に親和性を持つAALレクチンが、健常者と比較してより強く反応すること、そしてまた、コアのフコシル化トリマンノース N-型糖鎖に特異的なLCA レクチンのIgGに対する反応性の増加も、全身性エリテマトーデス患者で報告されています。高分解能の液体クロマトグラフィーを使用して、IgGのガラクトシル化およびシアリル化の減少も確認されています。

全身性エリテマトーテス患者のT細胞は、ALLレクチンの反応性変化からO-型糖鎖修飾にも変化が起こっていることが示されています。ALLレクチンは、T細胞受容体を共活性化するCore 1構造を認識するとされています。活性型の全身性エリテマトーデス患者のT細胞は、非活性型全身性エリテマトーデス患者よりもALLの反応性が低く、ALLによって認識される受容体の発現は疾患活性と逆相関していました。別の研究では、VVAレクチンを使用した全身性エリテマトーデス患者のT細胞におけるTn抗原型 O-型糖鎖の発現増加が報告されています。

更に、全身性エリテマトーデス患者においては、O-GlcNAc修飾および E74 様因子 1 (ELF-1) のリン酸化の減少が観察されています。