バイオ肥料として5種類の善玉細菌群とバイオ炭を施した小麦とトウモロコシの植物成長促進効果について

Interdepartmental Center SITEIA.PARMA, University of Parma, Italyらのグループは、バイオ肥料として5種類の善玉細菌群とバイオ炭を施したコムギとトウモロコシの植物成長促進効果について報告しています。.
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC9499264/

バイオスティミュラントは、バイオ肥料や、植物成長促進微生物(PGPM)として定義されるバクテリア、および/または菌類からなります。これらは、土壌に存在する栄養素の利用可能性を高めることによって植物との良好な関係を確立し、植物の収量や健康にプラスの影響を与えます。バイオ肥料の性能を向上させるために、土壌改良剤を積極的に利用し、微生物の成長と生存を促進することが有効です。バイオ炭(Char)はその良い候補であり、その多孔質な構造により、微生物が環境ストレスから生き残ることができる隠れ家となります。

本研究では、小麦とトウモロコシの温室栽培下にて、バイオ炭(善玉細菌のキャリアとして)、ニ種類の善玉細菌群(MC-B と MC-C)、および/またはアーバスキュラー菌根菌 (AMF) の組み合わせをバイオスティミュラントとして用いた場合の効果を調査しています。

  • MC-Bは、以下の善玉菌混合物:A. vinelandii DSM 2289, R. aquatilis BB23/T4d, Bacillus sp. BV84, B. amyloliquefaciens LMG 9814, P. fluorescens DR54
  • MC-Cは、以下の善玉菌混合物:A. chroococcum LS132, B. amyloliquefaciens LMG 9814, P. fluorescens DR54, B. ambifaria MCI 7, R. aquatilis BB23/T4d

結果として、選択された善玉細菌群とバイオ炭の様々な組み合わせが、小麦とトウモロコシのシュートや根のバイオマスに関してプラスの成長効果があることが示されています。

小麦では、成長に最も寄与したバイオスティミュラントは、AMF の有無にかかわらず Char+MC-C であり、次に AMF の有無にかかわらず Char+MC-B となりました。一方、トウモロコシでは、AMF の有無にかかわらず、Char+MC-C が最適なバイオスティミュラントとなり、次に Char+MC-B+AMF または AMF のみが続きました。