インフルエンザウイルスについては、ヒトの咽頭から気管支に至る気道上皮細胞に発現しているα2-6Siaとインフルエンザウイルスが持つHA(hemaggulutinin)の結合が感染を引き起こすという事実は良く知られています。しかしながら、インフルエンザの重症化と糖鎖構造の関係については、良く知られていません。
下記のグループは、レクチンマイクロアレイを用いて、インフルエンザの重症化とHost Cellの糖鎖構造について、フェレットを用いて研究しています。
https://www.pnas.org/content/117/43/26926.long
インフルエンザウイルスに感染するとHost cellの糖鎖修飾が変化し、High mannose構造の修飾が昂進し、その変化が病態の重症化と相関しているという結果が得られています。興味深い現象です。免疫細胞には、High Mannose結合性のC-タイプレクチンが発現していることから、結果として自己組織に炎症が起こるという可能性が疑われます。