新型コロナウイルス(COVID-19)の重症化の影に、S-タンパク質にブドウ球菌エンテロトキシン様の毒素配列が存在している可能性

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)のS-タンパク質の配列において、そのS1ドメインとS2ドメインの境界部に「PRRA」という他のコロナウイルスには見られない配列が挿入されているという事実は良く知られています。また、この配列が存在することで、ヒトへの感染能力が増加していることもたびたび指摘されています。

この配列周辺に(661~685)、ブドウ球菌のエンテロトキシンという毒素に似た配列が存在することについて考察している論文があります。
https://www.pnas.org/content/117/41/25254.long

この細菌毒素様配列にT細胞受容体(TCR)が結合することで、毒素性のショック症状が誘発されることが重症化に関与しているのでは?と述べています。この推論は、分子動力学的なタンパク質の構造解析から行われたものであり、実際の検証が行われることを期待します。

 

SEBはブドウ球菌エンテロトキシンを表し、SARS-CoV-2の661~685の配列と似た構造になっていることが分かります。