HIVウイルス特異的な糖鎖抗原を発現させたナノ粒子ワクチンの免疫増強効果

Koch Institute for Integrative Cancer Research, Massachusetts Institute of Technology, Cambridge, MA 02139, USAらのグループは、糖鎖抗原を発現させたナノ粒子をワクチンとして用いる方法を提案しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35021101/

著者らは最近、糖鎖修飾を受けたHIV免疫抗原含有ナノ粒子が、マンノース結合レクチン(MBL)によって媒介されるプロセスでリンパ節濾胞内に蓄積し、ナノ粒子表面への補体沈着、濾胞樹状細胞への輸送、および獲得免疫で要となる胚中心の増強を引き起こすことを報告しました。

これらナノ粒子の平均糖鎖修飾数をナノ粒子あたり0個から240個の高マンノース型糖鎖修飾と増加させて滴定すると、in vitroでのMBL結合とin vivoでの濾胞樹状細胞局在が着実に増加しました。しかし、増やしすぎると逆に落ちてきます(下図参照)。これらの実験から、MBL結合を開始するために必要な最小糖鎖修飾密度の推定値を計算すると、この研究モデルの場合、約25nmの粒子では、2.1×10-3マンノースパッチ/nm2であり、パッチ間の平均分離は約21nmに相当しています。