Arrayed Imaging Reflectometry (AIR) platformに形成した糖鎖アレイを利用したインフルエンザウイルスの型判別

Univ. of Rochesterのグループは、インフルエンザウイルスのヘマグルチニンのサブタイプ、及びノイラミニダーゼのサブタイプを簡易に見分ける方法として、Arrayed Imaging Reflectometry (AIR) platformの上に各種糖鎖を固定化したセンサーチップを開発し、利用しています。
https://pubs.acs.org/doi/10.1021/acs.bioconjchem.0c00718

ここでの興味の中心は、上記の応用例よりも、むしろ、Arrayed Imaging Reflectometry (AIR) platformとは何ぞや?という点にあります。このplatformは、Benjamin Miller Lab., Univ. of Rochesterによって開発されたもののようです。原理は物理的に非常に簡単でして、鏡面のSi基板上に薄い酸化膜を成長させ、酸化膜の上面と下面(即ちSiO2/Si界面)で反射された光の干渉効果を利用するものです。基板上に斜め入射した光が干渉効果で無反射となる反射条件を決めておき、基板上に固定したプローブとアプライしたリガンドが反応することで反射光の相互干渉に変化が起こり、反射光が現れるという現象を利用するものです。従って、SPRと同様にサンプルへの蛍光ラベリングが必要でないという利点もあります。問題はやはり感度でしょうか?しかし、上記の例では、SPRと同等以上と述べています。
https://www.urmc.rochester.edu/labs/benjamin-miller/projects/arrayed-imaging-reflectometry.aspx