Los Alamos National Laboratoryらのグループは、SARS-CoV-2のRBDとACE2との結合性に対する糖鎖の影響を分子動力学を用いて検討した結果を報告しています。
https://www.mdpi.com/1999-4915/13/5/927
ACE2に6個のOligomannose (MAN9)が Asn53, Asn90, Asn103, Asn322, Asn432, Asn546の位置に修飾され、SARS-CoV-2のRBDにbi-antennary complex N-glyucan(FA2)がAsn343の位置に修飾されているとした場合と、これらすべての糖鎖修飾位置がbi-antennary complex N-glycanであるとした場合をモデルとして結合力を計算しています。下図では、MAN9は赤色で、FA2は青色で示されています。
結果、ACE2の糖鎖修飾がMAN9である場合には、結合力が14.7%減少し、それがFA2である場合には、9.1%上昇することが示されました。
ACE2の修飾をhigh mannose型にした場合は、感染力が若干下がるという実験結果があり、矛盾はしていないようです。
また、N501Y変異で、何故感染力が上がるかについても計算されており、芳香環のπーπ相互作用の影響が指摘されています。この点については、既に過去のブログ記事で同様な研究例を紹介しています。
