本ブログ記事は、いつもの論文紹介とはちょっと違います。日本の大規模プロジェクトである「ヒューマングライコームアトラス」への本ブログ著者のつぶやきです。
ヒューマングライコームアトラスができた時に、レクチンのフィルター機能を追加してみてはどうでしょうか?即ち、MS解析によって網羅的に構造決定した糖鎖の発現状況に対して、各種のレクチンの糖鎖結合特異性と言うフィルターをかけられるようにしてみるということです。そうすると、レクチンにはそれら糖鎖の発現状態がどういう風に見えるのか?がクリヤに「見える化」されると思います。
ヒトが視覚的に糖鎖構造の違いとしてみているものの多くは、実際には体内での生化学反応にあまり意味がないものである可能性があるのではないでしょうか。体内で、どんな糖鎖構造の違いが、糖鎖の翻訳者であるレクチンによって「どの位意味深な差として認識されているのか?」ということがとても大切であり、それを見える化できる「レクチン・フィルター」が存在すれば、とても有効なアトラスになるのではないか?という問いかけです。医療への応用という観点からは、レクチン・フィルターとしては、ヒトの内在性レクチンを網羅すると、より実践的だろうと思います。例えば、DC-SIGNフィルターとか、MGLフィルターとか、Dectin-1フィルターとか、Siglecフィルターとか、Galectinフィルターというようなフィルターセットなのです。逆に、ヒトの内在性レクチンとは糖鎖の認識能が異なるレクチン・フィルターがあれば、思わぬ応用が開ける可能性もあるかも知れません。