Department of Biosciences, COMSATS University Islamabad (CUI), Islamabad, Pakistanらのグループは、カミメボウキ、インドセンダン、イチジクらの根圏から分離されたラクトバチルス・アジリス NMCC-15の生物学的薬物としての潜在性について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8568817/
体に良い働きをするバクテリア(Probiotic bacteria)は、抗生物質に代わる持続可能な代替物として、副作用を示さず、抗酸化作用、抗炎症性作用、そして抗糖尿病作用を示す 新規の生物学的薬剤として期待されています。本研究では、根圏細菌をスクリーニングする為に、次のようなアッセイが評価されました。
安全性試験
まず初めに、潜在的に害を及ぼしそうなバクテリアを排除するために、安全性試験が行われました。これは、次のような判断基準の元で行われました。
(1) 血液溶血性活性を持たないこと、そして(2) ゼラチンを破壊しないこと、であります。
抗生物質感受性試験
抗生物質に対して感受性を示さない株を選定することとし、ラクトバチルス・アジリスが結果としてベストでした。
In-vitro 抗菌アッセイ
ラクトバチルス・アジリス NMCC-15が使用された病原菌(Escherichia coli、Pseudomonas aeruginosa、Staphylococcus aureus、Listeria monocytogenes、Bacillus cereus)に対して、最も顕著な拮抗作用を示しました。
抗酸化、抗糖尿病、抗炎症性アッセイ
ラクトバチルス・アジリスの上清のフリーラジカル阻害率は、標準的な薬剤と同程度であり、それぞれ、68% と 73%となりました。
ラクトバチルス・アジリスは、α-amylase (anti-diabetic potential) をコントロールより51.3%も阻害しました。
ラクトバチルス・アジリスの上清は、アルブミン変性に対して61.6%の活性を示し、アスピリンは69%でした。