COVID-19回復期患者の一年間に渡るSARS-CoV-2 抗体の血清陽性率と中和活性の変化

Huazhong University of Science and Technology, Wuhan, Chinaらのグループは、SARS-CoV-2感染回復期患者の一年間に渡る抗体の血清陽性率とその中和活性の変化について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8242354/

初期のSARS-CoV-2感染回復期患者76名の162血清サンプルを用いた研究結果です。

SARS-CoV-2 Spike- と Nucleocapsid-特異的なIgM は、感染後早い時期に急速に立ち上がり(それぞれ、96.8%、54.8%)時間経過とともに急速に減衰していきます。感染1年後の時点では、それぞれの血清陽性率は、それぞれ5.3%、1.3% 迄に低下していました。しかしながら、IgGの血清陽性率は、Spike-、Nucleocapsid-特異的なIgGに対して、90.8%、88.2%と一年経過後も安定していました。

中和活性の評価結果については、一年後には57.5%の回復期患者は、検出可能なレベルの中和活性を示しませんでした。力価(1:160)を超えるようなレベルの高い中和活性を示す回復期患者の割合は感染後3~4カ月で最も高くなっていました。検出可能な中和活性を示す回復期患者(42.5%)において、殆どは(≤1:80)という弱い力価であり、少ないですが(5.5%)の回復期患者は、1:320を超えるような強い中和活性を示していました。