豚鞭虫の排泄ー分泌物のN-型糖鎖と免疫系との相互作用

Institut für Biochemie, Department für Chemie, Universität für Bodenkultur, Wien, Austriaらのグループは、豚鞭虫のN-型糖鎖と免疫系の相互作用について報告しています。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10542551/

本研究では、豚線虫寄生虫(豚鞭虫)由来のN-型糖鎖 (27 種) を用いた天然型糖鎖マイクロアレイを開発し、これらの糖鎖とC-型レクチン (DC-SIGN、Dectin-2、MGL) などとの相互作用が評価されています。得られた N-型糖鎖は、ホスホリルコリン修飾含む、または含まないフコシル化LacdiNAc構造 (bi/tri/tetra-anttenary) とホスホリルコリン修飾を受けたオリゴマンノース構造でした。

DC-SIGNは、かなり広範囲のオリゴマンオースおよびフコシル化糖鎖を認識しましたが、コントロールとして用いられたMan5-9GlcNAc2にも良く結合しています。
Dectin-2は、他の自然免疫系レクチンと比較して本アレイ上では結合が非常に弱くなっています。
MGLは、LacdiNAc含有リガンドのホスホリルコリン修飾の存在に関係なく、大部分の本糖鎖構造に結合していました。