SARS-CoV-2 Spikeの刺激を受けたマクロファージが過剰な炎症を引き起こす

Washington State University, USAらは、SARS-CoV-2 Spikeがマクロファージの炎症性反応を誘起するカギになっていると報じました。
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC8219098/

SARS-CoV-2に感染したVero E6細胞、及びヒト由来マクロファージ様細胞のTHP-1の培養上清からウイルスの複製と小孫ウイルス粒子の放出をTCID50アッセイを用いて評価した結果が下図に示されています。 THP-1は、SARS-CoV-2の複製に関してはそれほど生産的ではないのですが、Vero E6 細胞は効率よくSARS-CoV-2を複製していることが分かります。

マクロファージの炎症性反応におけるSARS-CoV-2 Spikeの役割を確認するために、 炎症性サイトカインであるTNF-α、CXCL10、IFN-γ、そして抗炎症性サイトカインであるIFN-βの産生がTHP-1に対するSpikeの刺激でどう変化するかが確認されました。Spikeは、IFN-β や IFN-γ にはほとんど影響を与えませんでしたが、TNF-α と CXCL10 は高発現しました。具体的には、Spike刺激後4時間でTNF-αは、30倍に増加し(p < 0.05)、CXCL10 3倍~8倍増加しました (p<0.05)。