SARS-CoV-2 S2のエピトープがコロナウイルスに対する交差中和抗体を誘発できる免疫原の青写真となりうる

Fred Hutchinson Cancer Research Center, Seattle, USAらのグループは、SARS-CoV-2 S2 に存在するエピトープが、コロナウイルスに対する交差中和抗体を誘発できる免疫原になり得ると報告しています。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34237283/

4名のCOVID-19回復期患者から得た198種類の抗体から、14種の中和抗体を精製しました。その内、1つはNTDをターゲット、1つはS2のエピトープを認識し、11種はRBDに結合しました。それらの IC50は、 0.007 μg/ml から 15.1 μg/mlに分布していました。

S2 サブユニットには、少なくとも1つのエピトープが、免疫原性は弱いものの、5つのヒトコロナウイルスの4つに存在しています(SARS-CoV-1、SARS-CoV-2、OC43、HKU1)。そのようなエピトープは、有望な交差抗体として見つかったCV3-25に認識されており、コロナウイルスに対する広範囲な中和抗体を開発する場合の貴重な免疫原になり得ると結論されました。因みに、CV3-25のSARS-CoV-2に対するIC50は、0.34 μg/mlでありました。