COVID-19患者における肺細菌叢の特色について

IRCCS Azienda Ospedaliero-Universitaria di Bologna, Italyのグループは、COVID-19患者とCOVID-19陰性者の間の肺細菌叢の違いを研究しています。
https://www.nature.com/articles/s41598-021-89516-6

集団が似ているか?似ていないか?何が集団の特徴であるのか?を議論する為に、いろいろな指標が工夫されています。
類似度パーセント解析では、COVID-19患者の肺細菌叢は、シュードモナス属の総体的な高さにあり、COVID-19陰性者においては、いわゆる肺共生菌(インフルエンザ菌、ベイロネラディスパー菌、カルノバクテリア属、ポルフィロモナス属、連鎖球菌)の増加が特徴と考えられました。
一方、線形判別分析では、COVID-19患者の肺細菌叢は、シュードモナス属、スフィンゴバクテリア属、クロストリジウム属、アシネトバクター、エンテロバクターが特徴とされました。

これらの分析指標に共通して現れているのは、シュードモナス属であり、このことは多剤耐性を持つ日和見グラム陰性菌がCOVID-19患者で増加していることを意味し、COVID-19患者では、通常の肺共生菌が逆に減少しているという事が特徴になりそうです。